『旅・徒然に』-旧狩勝線・大カーブ-
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今回の「旅・徒然に」は、「旧狩勝線・大カーブ」を紹介します。
現在の根室本線の一部(南富良野町落合駅から「新狩勝トンネル」を経て新得町新得駅)は、1966年(昭和41年)に開業しました。
それ以前は、今回紹介する「旧狩勝線」という旧線がありました。現在の路線は、新狩勝トンネルを出ると一度南下し、再び北上して新得駅へ向かうコースがとられています。
落合駅は、昨年の台風の影響で今もお休み状態のままです。
トンネルに入っていく方が現在の根室本線の線路、左へカーブしている方が旧狩勝線の線路です。
一方、旧狩勝線は狩勝峠直下といってもいいようなコースで、狩勝隧道と新内隧道二つのトンネルをくぐったのち、「大カーブ」という半径180m程の急カーブを経て新得町駅へ向かうという機関士泣かせの路線でした。
根室本線の線路には、土砂を被ったままのところがありました(平成29年5月訪問)。
「エコトロッコ鉄道」から「大カーブ」へ向かいます。簡易舗装道から未舗装の林道へ。
明治30年代、北海道の背骨として東西を結ぶ交通路・幹線鉄道の建設が始まりました。
1901年(明治34年)に官設鉄道十勝線が南富良野町落合まで開通しました。翌年、狩勝峠下の狩勝隧道(かりかちずいどう)の工事が始まりました。
所々に道標が整備されているので、安心して先へ進むことができました。
硬い岩質や湧水のために3年半を要して1905年(明治38年)に完成しました。その先に位置する「新内隧道」は1902年(明治35年)にすでに完成していました。
そして、1907年(明治40年)に新得から落合間が開通し官設鉄道十勝線(現・根室本線)が開業しました。急こう配が続き、最小で180mの急カーブが続くなど厳しい峠越えの路線でした。
何やら前方にカーブが見えてきました、「大カーブ」に差し掛かっているのかな?
開通によって北海道東部の開拓が進むことになりましたが、自然条件や運転条件が厳しいため、1966年(昭和41年)に現在の新たな路線に切り替わり、その役割を終えました。
このカーブが噂の?あの「大カーブ」でした、道端に道標がありました。
反対側から見た「大カーブ」入口当たりの様子です。
1000mで25mの急勾配と半径181mの「大カーブ」と呼ばれていた所で、昭和8年にブレーキが利かなくなり脱線し、機関車・貨車37両が折り重なる列車脱線転覆事故が起き死傷者も出ています。
この辺りが「大カーブ」の真っ只中? 中心部分なのかな?
私は、この資料を見た時にアメリカ映画「アンストッパブル」を思い出しました。
デンゼル・ワシントン、クリス・パインなどが出演している作品で、運転手のミスにより暴走した無人列車を犠牲者を出しながらも止めるという話です。
詳しい説明が書かれた表示板「官設鉄道十勝線(旧狩勝線)大カーブ」がありました。
その映画の中で、ある街に入る手前に急カーブがあって、そこで列車が脱線すると大惨事を招くことになるというシーンが出てきます。
それがこの旧狩勝線の大カーブと重なり思い出した訳です。
ネットで調べてみると、今でもいくつかの遺跡が残っていることが分かりました。
国道の5合目辺り(電柱が立っている辺り)、そこから見た「大カーブ」の様子。
そこで、訪ねてみることにした次第です。
この大カーブは当時よりも多くの樹木が茂ってはいますが、今でも国道(38号線)からその面影を見ることができます。
樹木が茂っているので表示板の写真のように大カーブを見通して見ることはできません。
でも、大カーブの面影は感じ取れるのではないでしょうか。
狩勝峠の6合目辺りに駐車場の様な広場があります。その端の樹木の間から「大カーブ」を展望することができます。木々は茂っていますが、弧を描くように造られた築堤が見て取れます。
線路を曲線で長くして勾配を緩くする方法を採用した結果の「大カーブ」(馬蹄形状)です。カーブの半分は長い築堤で半径が約180m、ぐるっと回ると高低差が約20mになるという難所でした。
ご訪問頂きありがとうございました。
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