『道南の旅』-旧檜山爾志郡役所-

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旧檜山爾志郡役所 こんにちは、ご訪問頂きありがとうございます。

 今回は、「旧檜山爾志郡役所(きゅうひやまぐんやくしょ;江差町)」(檜山郡江差町字中歌町112)を紹介します。

      (訪問日:2019年(令和元年)7月下旬)

 前回紹介しました「旧中村家住宅」を後にして、次に「旧檜山爾志郡役所」へ向かいました。

旧檜山爾志郡役所 旧檜山爾志郡役所

旧檜山爾志郡役所 旧檜山爾志郡役所

 この旧檜山爾志郡役所の建物は、明治20年(1887年)に檜山郡(ひやまぐん)と爾志郡(にしぐん)を管轄する郡役所と警察署の業務を執り行う建物として建てられました。

旧檜山爾志郡役所 旧檜山爾志郡役所

旧檜山爾志郡役所 旧檜山爾志郡役所

※郡役所(ぐんやくしょ)・・・明治11年(1878)に制定された郡区町村編成法による郡の事務をつかさどる役所。制定された郡区町村編制法により、それまでの大区小区制が廃止されたことで復活した旧来の郡は、同法により行政区画として扱われ、郡役所と郡長(官選)が置かれました。郡制の存在は行政の煩雑化をもたらすだけで自治団体の実績に乏しいとして、大正15年(1926)に廃止(その「廃止法案」は大正10(1921年)に可決)されました。

旧檜山爾志郡役所 旧檜山爾志郡役所

旧檜山爾志郡役所 旧檜山爾志郡役所

 その後、郡役所制度廃止で檜山支庁兼江差警察署となり、昭和3年(1928年)檜山支庁新築移転後は江差警察署として使われました。

旧檜山爾志郡役所 旧檜山爾志郡役所

旧檜山爾志郡役所 旧檜山爾志郡役所

昭和43年(1968年)に江差警察署が新築され、建物が北海道から江差町へ移管されると昭和46年(1971年)から江差町役場分庁舎として使われました。

 平成4年(1992年)3月に北海道の有形文化財に指定されました。

旧檜山爾志郡役所 旧檜山爾志郡役所

旧檜山爾志郡役所 旧檜山爾志郡役所

 平成5年(1993年)に江差町役場庁舎新築移転した後、平成8年(1996年)から2年かけて創建当時の姿に戻そうと修復工事(この改修工事の様子は館内に展示されています)が行なわれました。

旧檜山爾志郡役所 旧檜山爾志郡役所

旧檜山爾志郡役所 旧檜山爾志郡役所

 平成10年(1998年)から一般公開され、壁や天井には創建当時のように華麗な布クロスが張られて再現されています。

旧檜山爾志郡役所 旧檜山爾志郡役所

旧檜山爾志郡役所 旧檜山爾志郡役所

 現在は北海道内に唯一残っている郡役所建物であり「江差町郷土資料館」として活用され、江差の自然・歴史・生活などについての常設展示、年に数回行われる企画展、江差の故事「百印百詩」にちなんだ「ハンコ作り体験」などが行われています。

※百印百詩顕彰碑・・・1846年(弘化3年)江差で出会った松浦武四郎と頼三樹三郎が1日地で百の漢詩と百の印を競作する「百印百詩」を行ったと、松浦武四郎の日記に書き記されています。この出来事が江差の人々に語り継がれ、その記念碑が2000年(平成12年)に建立されました。

旧檜山爾志郡役所 旧檜山爾志郡役所

旧檜山爾志郡役所 旧檜山爾志郡役所

 館内での展示内容について、簡単にご紹介します。

◎1 階

・展示室1:北海道有形文化財としての建物についての展示説明

・展示室2:郷土資料館が町づくりに果たす役割、『江差町歴史文化基本構想』に関わる「日々の生活リズムに根差して人々が今も楽しんでいる歴史文化」についての展示

・展示室3:江差線に関する展示

旧檜山爾志郡役所 旧檜山爾志郡役所

旧檜山爾志郡役所 旧檜山爾志郡役所

◎2 階

・展示室5:『江差町歴史文化基本構想』に関わる「カモメ島を中心とした江差の地形から生まれた歴史文化」、「本州から渡って来た文化が江差の風土にあうように形を変えた歴史文化」、「有形と無形が響き合う歴史文化」に基づく16のテーマを設定して展示

・展示室6:平成29年(2017年)に認定された日本遺産のストーリー「江差の五月は江戸にもない-ニシンの繁栄が息づく町-」について展示

旧檜山爾志郡役所バルコニーから 旧檜山爾志郡役所バルコニーから

旧檜山爾志郡役所バルコニーから 旧檜山爾志郡役所バルコニーから

旧檜山爾志郡役所 旧檜山爾志郡役所バルコニーから

 旧檜山爾志郡役所(江差町郷土資料館)の建物に隣接して、机が置いてある事務室のような部屋や鉄格子がはまっている牢屋、独房と思われる小さな部屋が数部屋並んでありました(例えてみるなら、警察署の取調室と牢屋みたいな感じです)。

旧檜山爾志郡役所・警察署 旧檜山爾志郡役所・警察署

旧檜山爾志郡役所・警察署 旧檜山爾志郡役所・警察署

旧檜山爾志郡役所・警察署 旧檜山爾志郡役所・警察署

 考えてみると、この建物が建てられた当時は「郡役所兼警察署」、その後も「檜山支庁と江差警察署の合同庁舎」などとして使用されてきたわけですから、ここに牢屋があってもおかしくはありませんでした。

旧檜山爾志郡役所・警察署 旧檜山爾志郡役所・警察署

旧檜山爾志郡役所・警察署 旧檜山爾志郡役所・警察署

旧檜山爾志郡役所・警察署 旧檜山爾志郡役所・警察署

 館内には他にも「江差線」に関する展示コーナーがありました。

 江差線は、函館市の「五稜郭駅」から江差町の「江差駅」までを結んでいたJR北海道の鉄道路線で、江差駅から木古内駅間が平成26年(2014年)に廃止され、木古内駅から五稜郭駅間も平成28年(2016年)に「道南いさりび鉄道」に移管されました

江差線の展示コーナー 江差線の展示コーナー

江差線の展示コーナー 江差線の展示コーナー

 この建物の前には歴史を感じさせるような斜めに傾いた松の古木が1本立っています。

 「何だろう…?」と思って近づいて行き傍らにある説明板を読んでみました、「土方歳三嘆きの松」。

 明治元年(1868年)旧幕府軍を率いて榎本武揚(えのもとたけあき)は軍艦「開陽丸」で江差に上陸(同年11月14日)しました。

旧檜山爾志郡役所 土方歳三 嘆きの松

土方歳三 嘆きの松 土方歳三 嘆きの松

 開陽丸は江戸幕府がオランダに造艦を依頼した最新鋭の主力艦であり旗艦でもありましたが、1回も出撃することなく江差沖に停泊中に暴風雨に遭い、座礁、沈没(同年11月15日)してしまいました。

 開陽丸が沈没していくのを榎本と共に見ていた土方歳三(ひじかたとしぞう)は、この地で松の木を拳で叩いて嘆きました。

土方歳三 嘆きの松 土方歳三 嘆きの松

 その後、その松の木には瘤(こぶ)ができ曲がっていきました。

 後になり、江差の人々はこの松の木を「土方歳三 嘆きの松」と呼ぶようになったということです。

 尚、休館日や入館料など詳しくお知りになりたい方は「旧檜山爾志郡役所(江差町郷土資料館)」でご検索ください。

※ プレスマンユニオンサイト「北海道STYLE『旧檜山爾志郡役所』」、北海道江差町の観光情報ポータルサイト「旧檜山爾志郡役所」、フリー百科事典ウィキペディア「江差町郷土資料館」、江差町郷土資料館友の会ブログ「百印百詩」を参考にさせて頂きました。

 ご訪問頂きありがとうございました。

 

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