『登山日記・美瑛富士』-美瑛岳分岐から撤退-
こんにちは、ご訪問頂きありがとうございます。
今回は「美瑛岳分岐から撤退」ということで、美瑛岳分岐にやっとの思いで行くことができましたが撤退してしまった時の様子を紹介いたします。
(訪問日:2022年9月上旬)
前回で私は、函状の沢へ辿り着きロープを頼りに沢へ降り、はしごを使って沢から上がった時の様子まで紹介しました。
函状の沢には水は流れていませんでしたが、雪解け時期には水が流れ川ができるのかもしれません。
そうなると深い沢なので越えるのがさらに難しくなるような気がしました、想像だけですが…。
そこから少しの間は平坦な道が続いていましたが、次に水の流れている沢「ポンピ沢」が現れました。
9月でもけっこうな水量がある沢でしたので、「春の雪解け時期には渡渉が大変だろう…」と思いました。
この時は石の上を渡って行けましたので靴をほとんど濡らさずに済みました。
※ 以下の動画には風切音や機械音などの雑音が入っていますので、視聴に際しては音量に十分ご注意ください。
地形図を見ると、ポンピ沢の流れは「アバレ川」に合流しアバレ川はさらに「美瑛川」に合流して流れていっているようでした。
ポンピ沢は難なく通過することができたのですが、この後の登山道が私にとっては非常に過酷で大変でした。
私にはポンピ沢から標高1608m辺りまでの急登が今回の山行の最大の難関だったように思います。
その大変だった登りの登山道の様子の画像がほとんどないのは、画像を撮っている余裕がなかったからです。
途中で休むにも傾斜の急な道ばかりでしたので、立ち止まって休憩をとるのも辛いものがありました。
「とにかく上の美瑛岳分岐近くの尾根辺りに辿り着くまでは…」と思い登り続けたのが悪かったのかもしれません。
※ 以下の動画には風切音や機械音などの雑音が入っていますので、視聴に際しては音量に十分ご注意ください。
途中で追い抜いて行った登山者と「ここの急登、きついですね…!」「いやー、ほんとにですね…」と言葉を交わしたくらいでした。
それでもどうにか急坂を登り切り登山道は緩やかな坂道へと変わり、やっとのことで「美瑛岳分岐」まで行き着くことができました。
そこで休んでいたら、後から私よりも年配の数人の登山者グループが登ってきました。
疲労困憊状態の私と比べると、全然元気で少しの間話していたと思ったら美瑛岳山頂を目指して再び登って行ってしまいました。
先にここに来ていた私でしたが、先を越されてしまった元気いっぱいの登山者たちを見送ってからもまだそこで休んでいました。
地形図を見ると、このあと美瑛富士の麓までは美瑛岳の麓を横断するようなコースになっていて急な坂道はほとんどないことが分かりました。
※ 以下の動画には風切音や機械音などの雑音が入っていますので、視聴に際しては音量に十分ご注意ください。
しばらくその方たちの姿が樹木の中に消えてしまった後も話している声は聞こえていいました。
そうして私も「そろそろ私も歩き始めようかな…」と、美瑛富士への登山道を歩き始めましたが、運んでいる足がすごく重く感じました。
水はちょこちょこ飲みながら行動していましたが、「水不足かな…? 「しゃりばて」というやつかな…?」
※ 以下の動画には風切音や機械音などの雑音が入っていますので、視聴に際しては音量に十分ご注意ください。
「この感じ」は以前に十勝岳を目指して登っているときに「昭和噴火口」手前の急登辺りで撤退した時の様子と似ていることを感じました。
「美瑛富士に登頂したい」という気持ちはあるのですが、歩いて行く気力が失せてしまったように足が前に出て行かないのでした。
※ 以下の動画には風切音や機械音などの雑音が入っていますので、視聴に際しては音量に十分ご注意ください。
数歩歩いては立ち止まり、「美瑛富士に行くぞ…!」と自分に言い聞かせまた数歩歩いては立ち止まるの繰り返し、「せっかくここまで辿り着いたのに登頂を諦めて戻るのか…」と頭の中で「登頂か?撤退か?」せめぎあっていました。
地図を見て「ここからまず美瑛富士に登頂し、その足でさらに美瑛岳を経由して美瑛岳分岐に戻る」というこの後の予定を確認し「一般的な所要時間はざっとみて4時間30分…、さらにここから望岳台まで…下りではあるけど…」。
時計を見ると、12時30分くらいの時刻でした。
「私の足では4時間半では済まないだろうから…、この時期の日の入り時刻は午後6時ころ…、あと6時間で望岳台に戻れるだろうか…、さっきの急登を下る…、足がもつだろうか…」。
私はその時、そんな「だろうか…」を頭の中で繰り返し問答していました。
出した結論は「今回の計画は選んだコース状況を考えに入れてなかった…、無理があったみたい…、撤退が無難で強行はすごく危険…、余力があるうちに…」となり、非常に残念でしたが撤退することに決めました。
利尻山登山以後、「足つりの備え」として「芍薬甘草湯」等の薬を登山の際には必ず持ち歩くようにしていましたが、この時の急登の下山では幸いに飲まなくても済んだように記憶しています。
先の急登さえ無事に下りられればポンピ沢から函状の沢、望岳台までは割と緩やかな坂道が続いているので困難さは感じませんでしたが、距離が長いことと大小の火山礫が転がっている歩きにくい登山道(雲ノ平分岐から望岳台辺りの道)が疲れた足腰にしんどかったことを覚えています。
やっぱり私は「望岳台登山口からの登山」とは相性が良くないことがよく分かった今回の山行でした。
尚、「登山日記・美瑛富士」シリーズは今回で終了します、ありがとうございました。
※ ウィキペディアフリー百科事典「 望岳台」「美瑛岳」「美瑛富士」「十勝岳望岳台防災シェルター」「1926年の十勝岳噴火」、国土交通省 北陸地方整備局 神通川水系砂防事務所サイト おこじょ子どもネット!「融雪型火山泥流とは」を参考にさせて頂きました。
ご訪問頂きありがとうございました。
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