『登山日記・美瑛富士』-函状の沢へ-

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函状の沢 こんにちは、ご訪問頂きありがとうございます。

 今回は「登山日記・美瑛富士」ということで、美瑛町の美瑛富士から美瑛岳へ縦走して来ようと思い望岳台から向かった時の様子を紹介いたします。

訪問日:2022年9月上旬)

 前回で私は、十勝岳望岳台防災シェルター・望岳台登山口を出発し雲ノ平分岐まで進みました。

 以前に十勝岳へ向かった時には、ここから真っ直ぐ進んで行きました。

   硫黄沢川

硫黄沢川へ向かう 硫黄沢川へ向かう

硫黄沢川へ向かう 硫黄沢川へ向かう

 その時、この分岐から左に折れて美瑛岳方面に向かう登山者とすれ違いました。

 そこからしばらく登って行って谷を隔てた向こうの稜線にふと視線を向けた時に、そこを歩いているその登山者の姿を見かけたことを思い出しました。

 私は今回、「その登山者が歩いていた所を歩いているんだ…」と何気に思い出したわけです。

美瑛岳への道標 美瑛岳への道標

美瑛岳への道標 美瑛岳への道標付近の様子

 しばらく歩いて行くと、美瑛岳への道標に出会いました。

 「花より団子」の私で花の名前には大変疎いのですが、あちらこちらでたくさん見かけたので撮ってみました。

 多分?なんで間違っているかもしれません、「シラタマノキ」と「エゾオヤマリンドウ」かな?と思いましたがどうでしょう…(上の画像右)。

美瑛岳への道標付近の様子 美瑛岳への道標付近の様子

十勝岳避難小屋 十勝岳避難小屋

 雲ノ平分岐から真っ直ぐ十勝岳へ登っていくと、途中に「十勝岳避難小屋」があります。

 私は分岐から美瑛岳方面へ曲がりましたので、ここからも避難小屋が見えてましたが、その姿は小さかったです(ズームしてみました)。

 ところどころに背の低いハイマツや高山植物、野草が生えていますが、大小さまざまな大きさの岩などもゴロゴロと目立って見えていました。

硫黄沢川 硫黄沢川

硫黄沢川 硫黄沢川

※ 以下の動画には風切音や機械音などの雑音が入っていますので、視聴に際しては音量に十分ご注意ください。

 さらに進んで行くと、「硫黄沢川(いおうさわがわ)」に着きました。

 この硫黄沢川流域は、美瑛川水系硫黄沢川で1926(大正15)年5月に起きた十勝岳噴火によって起きた融雪型火山泥流である「大正泥流」の跡が残っているそうです。

※ 十勝岳の噴火・・・1887(明治20)年の噴火後30数年間静穏でしたが、1923年から再活動を始め1926年5月に水蒸気噴火を起こし大規模災害をもたらしました。その後、33年余りの休止期を経て1962(昭和37)年6月に再び噴火を始めました。その噴煙はほぼ垂直に上昇し海抜12000mの高さに達しました。さらにその26年後の1988(昭和63)年12月に小噴火(水蒸気爆発・降しました。過去の噴火の様子から十勝岳は30年前後間隔で噴火を繰り返しているようです。今年2025(令和7)年は1988年の噴火から37年目となります。過去の例からすると、もういつ噴火が起きても不思議ではない頃ということができそうです。気を付けたいですね、どうやって…!?

硫黄沢川付近の様子 硫黄沢川付近の様子

硫黄沢川付近の様子 硫黄沢川

 この上下の画像が「硫黄沢川」の様子を撮ったものです。

 大小様々な岩石が転がっているいたり、一方では平らな岩盤の上を水が流れていたりしていました。

 溶岩が流れた跡なのか、泥流が流れ落ちた跡なのか、他の所よりは違った地形をしているように思いました。

硫黄沢川 硫黄沢川

硫黄沢川 硫黄沢川

※ 以下の動画には風切音や機械音などの雑音が入っていますので、視聴に際しては音量に十分ご注意ください。

※ 融雪型火山泥流・・・融雪型火山泥流とは、雪の積もっている時期に溶岩や火砕流の熱で雪が解けて起きる泥流のことで、雪のない時に起きる土石流よりも流れるスピードが速く積もった雪が一気に解けて流れ下るために大量の泥流が広い範囲に被害をもたらします。

 1926(大正15)年の十勝岳噴火による火山災害で死者・行方不明者144名、建物崩壊372棟、罹災世帯400以上という大被害となりました。

 ほとんどの被害は泥流によるもので、山林・耕地・道路・橋梁・鉄道などに非常に大きな被害が出ました。

函状の沢 へ向かう 函状の沢 へ向かう

函状の沢 へ向かう 函状の沢 へ向かう

 硫黄沢川流域から遠ざかるに従い岩石類の姿は少なくなり、秋の高山植物達の花盛りでした。

 麓の方を眺めると、上富良野市街地なのか?美瑛町白銀温泉街なのか?見えていました。

 十勝岳の方角に視線を移すと、登山道の向こうには以前十勝岳温泉登山口から登った雄大な姿を覗かせている富良野岳が見えていました。

函状の沢 へ向かう 函状の沢 へ向かう

函状の沢 へ向かう 函状の沢 へ向かう

 今思うに、私は「望岳台登山口」との相性はあまり良くないようです。

 最初に臨んだ十勝岳登頂は途中で体調不良となり撤退を余儀なくされましたし、この美瑛富士・美瑛岳登山も同じように体調不良により撤退してしまいました。

 一方で、十勝岳温泉凌雲閣傍にある登山口からの山行では富良野岳から十勝岳等への登頂に成功し無事に下山することができました。

函状の沢 へ向かう 函状の沢 へ向かう

函状の沢 へ向かう 函状の沢 へ向かう

 登山口によって「相性」っていうのがあるもんなのでしょうか…?

 私の例から言うと「あるような…」気がします。

 ただ、もし次に美瑛岳・美瑛富士登山を計画するとしたら、多分「望岳台登山口」は避けるだろうと思います(決して悪気はないのですが…)。

函状の沢 へ向かう途中で 函状の沢 へ向かう途中で

函状の沢 へ向かう途中で 函状の沢 へ向かう途中で

 望岳台登山口にある十勝岳望岳台防災シェルター、その奥の方にダムが見えました。

 この辺りにあるダムというと、「白銀ダム」ではないかと思います。

 そのダム湖は「四季彩湖」と名付けられていて、道道966号線を挟んで反対側には近年外国人観光客に人気の美瑛町の「青い池」があります。

 私も今までに数回訪問していますが、行くたびに関連施設が増設されていて、自家用車や観光バスが列を成し渋滞がひどかったのを覚えています。

函状の沢 へ向かう途中で 函状の沢 へ向かう途中で

函状の沢 へ向かう途中で 函状の沢 へ向かう途中で

 硫黄沢川を過ぎ、次に「函状の沢」(はこじょうのさわ)を目指して進んで行きました。

 硫黄沢川から少しの間は上りがありましたが、後は斜面を横切るような感じの道が続き楽に歩くことができました。

 斜面に続く道の向こうに見えている尖がり頭の山は目指している山の一つ「美瑛岳」なのでしょうか…?

函状の沢 へ向かう途中で 函状の沢 へ向かう途中で

函状の沢 へ向かう途中で 函状の沢 へ向かう途中で

 時々振り返ってみると、まだ富良野岳の山頂部が見えていました。

 このあたりにも秋の高山植物?花を咲かせている様子が見られました。

 十勝岳の麓になるのでしょうか…?その山の中腹をグルリ横断するかのように回り込むように登山道を歩いて行くと、目の前にドーンと先ほど見えていたとんがり山の全貌が見えてきました。

函状の沢 へ向かう途中で 函状の沢 へ向かう途中で

函状の沢 へ向かう途中で 函状の沢 へ向かう途中で

 他の山並みの中で一段と高くそびえている山なので、多分目指している美瑛岳なのだろうと思いました。

 登山道はやがて下り坂になり、谷の方へ下りて行く形になりました。

 谷の底部分に一筋の溝のようになっている所が見えていました。

   勝瑛の滝

函状の沢 へ向かう途中で 函状の沢 へ向かう途中で

函状の沢 へ向かう途中で 

※ 以下の動画には風切音や機械音などの雑音が入っていますので、視聴に際しては音量に十分ご注意ください。

 よく見てみると、その溝の中に川が流れているようでした。

 その溝の中を上から下の方に沿うように辿って行くと、水の流れが所々で見え隠れしていました。

 そこで望遠コンデジをズームにして覗いてみると、その水の流れがある所で泡立っているような感じで白くなって見えているのでした。

 地形図で確認してみると、「ポンピ沢」と登山道が交わる辺りから少し下流の方に「勝瑛の滝(しょうえいのたき)」との記載がありました。

函状の沢 へ向かう途中で 函状の沢 へ向かう途中で

函状の沢 へ向かう途中で 函状の沢 へ向かう途中で

※ 以下の動画には風切音や機械音などの雑音が入っていますので、視聴に際しては音量に十分ご注意ください。

 滝があることが分かったのですが、あそこへ行くには沢伝いに下って行かなくてはならないようでした。

 「下るということは、帰りは上り」ということになる当然の自然の摂理です。

 それはなんぼ何でもちょっと辛い!本格的な沢下り・沢上りの経験もなく、斜里岳で旧道の沢登りを少し経験したぐらいでした。

 「ここは止めておこう!」と、当然なりました。

   函状の沢

函状の沢  函状の沢

函状の沢  函状の沢

※ 以下の動画には風切音や機械音などの雑音が入っていますので、視聴に際しては音量に十分ご注意ください。

 そうこうしているうちに「函状の沢(はこじょうのさわ)」に着きました。

 ここが他の方の登山記録ブログの中の噂による「ロープ場」と「はしご場」がダブルでくる難所でした。

 ここ数日中に雨は降った様子はないのですが、まずロープ場の辺りの土が緩んでいて滑りやすい感じがしました。

 慎重にゆっくりとロープを手繰りながら下りて行き、無事に下まで降りることができました。

函状の沢  函状の沢

函状の沢  函状の沢

※ 以下の動画には風切音や機械音などの雑音が入っていますので、視聴に際しては音量に十分ご注意ください。

 次は、はしご場で、はしごの一番下の足を掛ける所まで足を上げないといけないのですが、地面に足を置いて体を支える足の方の土が緩んでいてズルっと滑るので、もう片方の足をはしごに届かせるのにすごく苦労しました。

 何度も何度も繰り返して、やっとの思いではしごに乗ることができました。

 「はしごに乗ってしまえばこっちのもの」で、無事に函状の沢を超えることができました。

函状の沢  函状の沢

函状の沢  函状の沢

※ 以下の動画には風切音や機械音などの雑音が入っていますので、視聴に際しては音量に十分ご注意ください。

 登ってやっと気が付いたのですが、私の後ろで次の登山者が数人待っていたようでした。

 彼らは私と違って背も高く足も長そうな登山者達でしたから、私よりはうんとスムーズにはしごに上がり登っているようでした。

 私はマンガの「怪物くん」ではありませんので、足の長さはどうしようもありません!

※ ウィキペディアフリー百科事典「 望岳台」「美瑛岳」「美瑛富士」「十勝岳望岳台防災シェルター」「1926年の十勝岳噴火」、国土交通省 北陸地方整備局 神通川水系砂防事務所サイト おこじょ子どもネット!「融雪型火山泥流とは」を参考にさせて頂きました。

   ご訪問頂きありがとうございました。

 

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