『登山日記・富良野西岳』-山頂へ、そして下山-

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山頂   こんにちは、ご訪問頂きありがとうございます。

    今回は、「山頂へ、そして下山」として、山頂へ向かい下山するまでの様子を紹介します。

                     (訪問日:2021年(令和3)6月下旬)

 「ロープウェイがあるから途中まで楽して山に登れる」と思って選んだ今回の富良野西岳。

 折からの新型コロナウィルス禍の影響がここにまで及んでいたとは想像だにもしていなかった私は、「実行するか、ここで断念するか」の決断を迫られることになってしまいました。

 迷いに迷った末に決行することにしたのですが、「スキー場はスキーで滑り降りて楽しむ場所」であって「雪のないゲレンデを自前の足を使って登って行く場所」ではないことを性懲りもなくまた思い知らされてしまいました。

山頂へ 山頂へ

山頂へ 山頂へ

※ 以下の動画には風切音や機械音などの雑音が入っていますので、視聴に際しては音量に十分ご注意ください。

 今回も好天に恵まれ途中の眺望を楽しむことができ幸運でしたが、反面陽ざしを遮るものがほとんどないので直射日光の直撃を受け暑さで一層汗だくになりながらの登山になりました。

 登山口まで何とか辿り着くことができ、急な上り坂からついに開放された私は、ほっとしながら歩いて隣りの施設「ダウンヒル第3ロマンスリフト降り場」へやってきました。

山頂へ・途中で見かけた草花 山頂へ・途中で見かけた草花

山頂へ 山頂へ

 そこで木製のスロープにやっと腰掛けて休むことができました。

山の上ですので心地良い初夏の風が吹いていて火照った体を癒してくれ、速乾性の衣類のお陰もあって汗の湿り気も気にならない位までになりました。

 改めて周囲を見渡してみると、樹木が繁る林の一角に第二の登山口のようにポッカリと開けた所がありました。

山頂へ 山頂へ

山頂へ・途中で見かけた草花 山頂へ・途中で見かけた草花

※ 以下の動画には風切音や機械音などの雑音が入っていますので、視聴に際しては音量に十分ご注意ください。

 そこから本来の登山道らしい一本道になって目指す富良野西岳山頂へと繋がっていました。

 緩やかなアップダウンのある細い登山道が続いていましたが、視線の先に残雪の白い帯が見えてきました、残雪です。

 「えっ、聞いてないよ!雪が残っているなんて!!もう6月下旬なんだよ…」と心の中で叫んでしまいました。

山頂へ 山頂へ・途中の残雪

山頂へ・途中の残雪 山頂へ・途中の残雪

 私には「残雪」という言葉から思わず連想してしまう過去の苦い思い出がありました。

 今からおよそ6年ほど前のある日に、「20代の頃時々やっていた登山をもう一度やってみようかな」と思いました。

 けれども、いきなり高い山に登っていく自信がなかったのでロープウェイで途中まで行けるような楽そうな山を選んで登ることにしました。

山頂へ・途中の残雪 山頂へ・途中の残雪

山頂へ 山頂へ

※ 以下の動画には風切音や機械音などの雑音が入っていますので、視聴に際しては音量に十分ご注意ください。

 まず最初に選んだ山は「旭岳」でしたが、ここは晴天にも恵まれて順調に登ることができました。

 それで気を良くした私が次に選んだのは「黒岳」でした。

 6月も下旬でしたので、「もうそろそろ雪も融けて登山道も不通に歩けるようになっているだろう…」と思って出発しましたが、北海道で11番目に高い山・標高1894mの黒岳にそんな甘い考えは通用しなかったのでありました!

山頂へ・途中の残雪 山頂へ・途中の残雪

山頂へ・途中の残雪 山頂へ・途中の残雪

 この辺りの残雪は大概は本来の登山道に残っている雪のようでしたので、雪の上を歩いて進んで行っても間違いはありませんでした。

※ 以下の動画には風切音や機械音などの雑音が入っていますので、視聴に際しては音量に十分ご注意ください。

 黒岳登山(初めての挑戦)の様子については、「登山日記 黒岳」の「黒岳7合目へ」と「黒岳・七合目の顛末」をご参照ください。

 山で残雪を見ると、「ドキッ! 撤退か…?」と条件反射のように思ってしまいます。

 この時も瞬間ドキッと思いましたが落ち着いて周囲を見回してみると、緩やかに上っている道に雪が細長く残っている状態でしたので先へ歩いて行くには大丈夫だと判断しました。

山頂へ 山頂へ

山頂へ 山頂へ

 日当たりのよい所には雪はなく、凹んだ所や木々が繁って日陰になっている所、北側などには少し雪が残っていました。

 この辺りで少し困ったのは、雪で覆われてしまうことで登山道の踏み跡が途切れてしまうことでした。

 この後、さらに大きな残雪が私を待っていました。

山頂へ・途中の残雪 山頂へ・途中の残雪

 ここの残雪はかなり広い斜面を覆っていました。暖かい日でしたので雪は緩んで柔らかく靴底を雪に押し付けるようにして歩くと滑り落ちるようなことはありませんでした。

※ 以下の動画には風切音や機械音などの雑音が入っていますので、視聴に際しては音量に十分ご注意ください。

山頂へ・途中の残雪 山頂へ・途中の残雪

 横幅40~50m、縦幅20~30m位の残雪が目の前に広がっていました。

 雪室は気温が高かったので柔らかく靴の踵を雪に押し付けながら歩くと滑落などの心配はありませんでした。

 でも困ったことに、広く雪に覆われていて登山道が全く見えずどう進んで行ったらいいのか分かりませんでした。

山頂へ 山頂へ

山頂へ 山頂へ

 「多分登山道が続いている所には樹木が刈り払われて開いている所があるはず…」と思ったので、残雪と樹木との境目を一周ぐるりと見回してみましたがハッキリそれと分かるような登山道への入口は見えませんでした。

 この時にはもうスマホに登山用GPS地図アプリを入れて持ち歩いていましたので、その地図アプリで確認してみました。

 地図アプリを見ても、この局地的な残雪の画像までは見られませんでした。

 残雪の周囲をぐるり一周して確かめて回るには時間がかかるし疲れるので、やはり地図アプリで大まかな方向を探りながら進んで行くことにしました。

山頂へ 山頂へ

山頂へ 山頂へ

 「こっちじゃない! じゃぁ、あっちか…?」と探しながらやっと山頂へ続く登山道を見つけることができました。

 ホッとしたのも束の間、「今度は下山の時にまたここで迷わないようにしなくては…」、「残雪の上を歩いて来た道をしっかり覚えておこう!」と思い、さらに念のために写真も撮っておきました。

山頂へ 山頂へ

山頂へ 山頂へ

※ 以下の動画には風切音や機械音などの雑音が入っていますので、視聴に際しては音量に十分ご注意ください。

 樹木が繁っている細い登山道をさらに登って行くと、枝の合間から山頂らしきピークが見えてきました。

 その西側には草木が生えて緑色が広がっていましたが、反対の東側はゴツゴツした岩肌が向き出ていてしかも恐ろしいくらいの崖が下方に向かって切れ落ちていました。

 どうやら富良野西岳の山頂は岩の塊「岩稜」のようでした。

山頂へ・途中で見た草花 山頂へ・途中で見た草花

山頂へ 山頂へ

 崖の見える東側方向には、富良野市街や十勝連峰の山並みが見えていました。

 ここまではほとんど土の道でしたが、この辺りまで来ると急で石でゴツゴツした道に変わってきました。

 そしてついに標高1331mの富良野西岳山頂に着きました。

 東側は恐ろしく切り立った崖で、「滑落したら一巻の終わり…、は間違いない」と思いました。

山頂へ 山頂へ

山頂 山頂

※ 以下の動画には風切音や機械音などの雑音が入っていますので、視聴に際しては音量に十分ご注意ください。

 反対の西側は強風が吹く所なのでしょう背の高い草木はありませんが、ハイマツなどの低い草木が繁っていて緑に覆われていて「ホッとする景色」に心が和みました。

 北の方を見ると、来る時に歩いて来た北の峰からの稜線が続いていました。

 その稜線の東側は谷になっていてもう一つの登山ルートの「沢コース(四線川登山道コース)」があります。

 その谷の様子を見る限りこちらのコースも私が辿って来たスキー場コースにも負けず劣らないほどの急登コースではないかと思ってしまいました。

山頂 山頂

山頂・三角点 山頂・三角点

↑ 山頂標識の傍に「一等三角点」の石柱がありました。その石柱の周辺にある四角い台の部分が不思議なことに地面から浮いた状態になっていました、こんなの見たの初めてでした。あるブログの中では土台の下の土砂が流されたためと書かれてありました。

※ 以下の動画には風切音や機械音などの雑音が入っていますので、視聴に際しては音量に十分ご注意ください。

 西から南に視線を移していくと、三角形をしたピークがいくつか空に飛び出ている険しそうな山容の「芦別岳」が見えていました。

 「北海道のマッターホルン」なんて言われる芦別岳、私もいつか登ってみたいと常々思っている山の一つです。

 北海道のへその町・富良野市にある山ですから山頂から見える360度のパノラマもすばらしく、大雪山、十勝岳、ニペソツ山、羊蹄山などが見られるそうです(もちろん天候にもよりますが)。

山頂からの眺望 山頂からの眺望

山頂からの眺望 山頂からの眺望

 その分険しそうな山で途中にはハイマツ帯や藪漕ぎなどが待っているそうで、「私の登山技量で登れる山なのか」検討中といったところです。

さらに南から西側へ移していくと日高山脈が見えるそうですが、私にはどれがなんなんだかさっぱり分かりませんでした。

 とにかく晴れていて眺めは悪くはないのですが、遠くの方は霞んでいたのでよく見えませんでした。

山頂からの眺望 山頂からの眺望

山頂からの眺望 山頂からの眺望

※ 以下の動画には風切音や機械音などの雑音が入っていますので、視聴に際しては音量に十分ご注意ください。

 山頂で景色を眺めながら休んでいたのですが、そうこうしているうちに西の空模様が怪しくなってきました。

 白かった雲の色がだんだんと雨雲のように黒くなりながら垂れ下がってきているように思われました。

 すると突然に「ドーーン}という雷鳴が轟いたかと思うと、やがてピカッっと稲光が光ったのでした。

 さっきまでそっちの方も雲は多少ありましたが、青空も見える穏やかな天気だったのに…。

山頂から下山 山頂から下山

山頂から下山 山頂から下山

 そして黒っぽい雲の下へ目をやると、霞んでいるのが見えました。

 あそこでは多分雨が夕立のようにザーザーと降っているに違いありません。

 けれどもこの山頂からはまだけっこう離れているので、あの雷雲がこちらに流れて来るにしてもまだ時間に余裕があるように思いました。

 とは言ってもここはこの辺りで一番高い富良野西岳山頂ですから、雷が一番落ちやすい所でもあり、今私はそこにいるわけです。

さらに帰り道の周りには背の高い樹木がわんさかと密集している、高い木には雷も落ちやすいはず。

山頂から下山 山頂から下山

山頂から下山 山頂から下山

 そこまで思い至るにつれ「こりゃ、まだまだ遠いから大丈夫!」なんて余裕をかましている場合ではないことを悟りました。

 すると私は現金なもので、何か急に体中がムズムズしだして落ち着かなくなり、即下山を開始したのでした。

 下りは上りよりも体には楽なわけで、多少急ぎ足で歩いても息切れなどほとんどしなかったのが不幸中の幸いでした。

 ただ、上りの時に道が分からなくて困った斜面に広く残っていた残雪の所では、やぱりスキー場へ続く道への入口を直ぐには見つけられず焦ってしまいましたが、何とか抜け出すことができました。

山頂から下山・キタキツネ 山頂から下山・キタキツネ

山頂から下山・キタキツネ 山頂から下山

※ 以下の動画には風切音や機械音などの雑音が入っていますので、視聴に際しては音量に十分ご注意ください。

 そこを過ぎるとそれまで時々聞こえていた雷鳴も聞こえなくなり、結局あの雷雲はこちらの方まで来ずに済んだようでした。

 山頂から下山開始してこの辺りまでの画像がないのは、雷から逃げるために必死で下りていたので余裕がなかったからです(恥ずかしながら、悪しからず…)。

 途中にあったリフト降り場の所まで来ると、あの雷騒動が嘘のように思える青空が広がる空に戻っていました。

 角バッタ小石がゴロゴロしている作業道を下りているとき、つい油断してしまい浮石に足を取られて転んでしまいました。

 そういう時に限って手袋をはめていなかったので、道に手を着いた時ひどく痛かったことを覚えています。

 こういう事態に備えて用心して手袋をはめているときに限ってなぜか何も起こらないということがしばしば私にはあります、どうして?

山頂から下山 山頂から下山

山頂から下山 山頂から下山

 急な傾斜を避けるようにしてつけられた作業道とはいえスキー場を下る訳ですから、けっこうな坂道が続き太腿の表側に筋肉(大腿四頭筋というのでしょうか?)が攣りそうになり限界間近な状態でした。

 また帰り道でキタキツネに出会うことができ、思いがけずかわいい姿に遭遇し足の筋肉の疲れを少しの間忘れることができました。

 愛車の待つ駐車場に戻って来た時刻は午後6時頃でしたので、朝午前10時くらいに出発したので往復8時間ほどの山行となりました。

 尚、この「登山日記・富良野西岳」シリーズは今回で終了致します、ありがとうございました。

※ 富良野観光協会サイト「 富良野西岳登山」、ヤマップサイト「富良野西岳」、ヤマケイサイト「富良野西岳」を参考にさせて頂きました。

 ご訪問頂きありがとうございました。

 

富良野ロープウェー山麓駅から山頂駅へ その2⇦⇦⇦    今    回 

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