『登山日記・富良野岳』-富良野岳山頂、そして下山-
こんにちは、ご訪問頂きありがとうございます。
今回は、「富良野岳山頂、そして下山」ということで、上富良野岳から三峰山を通って富良野岳に登頂し、下山して登山口に至る様子を紹介します。
(訪問日:2021年(令和3年)7月下旬)
前回では、「十勝岳温泉分岐」の標識の立つ尾根から左へ少し登った所にある標高1893mの「上富良野岳山頂」標識へたどり着くことができました。
そこから稜線を少し下りさらに登り返して行った先の一段と高い所に標高1920mの「上ホロカメットク山」が見えていました。
※ 以下の動画には風切音や機械音などの雑音が入っていますので、視聴に際しては音量に十分ご注意ください。
ここまで来たら「あともう少しの所にある上ホロカメットク山へ行ってみたい」とも思いましたが、その反対側に見えている富良野岳までの道程を目で追ってみて「やっぱ止めておこっ!」となりました。
上富良野岳山頂は富良野岳への通過点でしたので、少し休んでから次の「三峰山」へ向けて歩き出しました。
※ 以下の動画には風切音や機械音などの雑音が入っていますので、視聴に際しては音量に十分ご注意ください。
「三峰山」と呼ばれているのは、その名にある通り三つの岩峰・ピークが連なっていることからきているようです。
上富良野岳から三峰山へ向かい一つ目のピーク(1803m)まで行くとケルンがありました。
※ 以下の動画には風切音や機械音などの雑音が入っていますので、視聴に際しては音量に十分ご注意ください。
その辺りで単独の若い登山者とすれ違いましたので挨拶をすると、「三峰山の辺りにナキウサギがいて盛んに鳴いていましたよ!」と教えてくれました。
「ナキウサギ…」、資料を読んだり写真で見たりはしていましたが実物に出会ったことはありません。
※ 以下の動画には風切音や機械音などの雑音が入っていますので、視聴に際しては音量に十分ご注意ください。
写真で見た限りでは耳が短くて丸い形をしていて4本の足も短くて、ウサギというよりはネズミやハムスターのような姿をしています。
ナキウサギが生息しているという他の山にもこれまで登りましたが、やはり出会えることはありませんでした。
※ 以下の動画には風切音や機械音などの雑音が入っていますので、視聴に際しては音量に十分ご注意ください。
「そんなにたくさんいるのなら、今回は見られるかもしれないな…」と思い、期待しながら登山道を歩いて行きました。
「三峰山」(1866m)の山頂標識がある所まで来ましたが、「シーン」と静まり返っていてナキウサギの「ナ」の字もありませんでした。
しばらくの間ジ~~ッとして様子を見ていましたが、何も出てきませんし何も聞こえもしませんでした。
いつまでも待っているわけにもいきませんので10分程で諦めて先に進みましたが、歩き出してみると「チリーン、チリン!」と音が鳴り始めました。
「…、あっそうか!こいつのせいかもしれない…」と気がつきました。
私はいつもヒグマ対策でクマ避けの鈴を数個リュックにぶら下げていますので、これがクマ避けならぬナキウサギ避けの鈴となっていたのでしょう。
そうと悟った私でしたが、「鈴を外してもう一度さっきの場所へ戻るのもどうかな…?」と思い、ナキウサギとの初めての出会いは諦めることにしました。
三つ目のピーク(この辺りは岩も多いのですが高山植物も多く盛んに花を咲かせていました)も過ぎて下りの緩やかな稜線歩きになりましたが、その途中で大きな岩がゴツゴツしている所を通りました。
そこを過ぎると富良野岳直下にある鞍部の富良野岳稜線分岐へ至る下りは歩きやすかったです。
※ 以下の動画には風切音や機械音などの雑音が入っていますので、視聴に際しては音量に十分ご注意ください。
富良野岳稜線分岐のある所はちょっとした広場になっていて、D尾根へ登って行く登山道の手前にあった上ホロ分岐へ下りていく道との分岐地点になっています。
三つ目のピークを越えると、あとはすがすがしい青空のもと緩やかな下り道を歩いて富良野岳稜線分岐の標識がある広場へと着きました。
目指す富良野岳山頂は…?と見上げてみると、これがまたけっこうな上り返しでありました。
木製の枠?階段?は設置されていましたが、私の足が短いからでしょう、歩幅が合わず階段部分に上がらず跨ぐようにして登った方が私の膝や太腿の筋肉には優しかったです。
その階段もなくなり、砂礫のガレ道を浮き石や小石を避けながら最後のひと踏ん張りと思って息切らせながら登って行きました。
私には名前が分からないけれど、この辺りにもいろいろな高山植物が花を咲かせていました。
いつものことですが、私はそうした花たちを愛でる余裕もなく足元の石ころを気にしつつ時折周りの景色も見回しながら登り続けました。
そして、ついに視線の先に山頂標識と思われる標柱が見えてきました。
富良野岳山頂(1912m)は開けているので、そこからの眺望は素晴らしかったです。
十勝連峰の南端にあるので、北東の方角には先ほど登って来たばかりの三峰山、上富良野岳、そしてその後ろに上ホロカメットク山、さらにその奥に十勝岳(ここまでは山容とその名前は私でも分かります)の迫力ある姿が見えていました。
※ 以下の動画には風切音や機械音などの雑音が入っていますので、視聴に際しては音量に十分ご注意ください。
南東方向の足元には、「原始ヶ原」というその名の通り原始的な植生が今でも残っているという広い広い平原というか湿原というか、が一望できました。
登山前に見た資料によるとこの富良野岳から原始ヶ原へ下りていける道もあるそうですが、私にはそんな体力はなくあとは凌雲閣近くの登山口まで戻るのがやっとです。
※ 以下の動画には風切音や機械音などの雑音が入っていますので、視聴に際しては音量に十分ご注意ください。
西や東の麓の方へ目をやると、パッチワークのように畑が広がっていました。
その麓に見える深い森の中に、十勝岳温泉・凌雲閣の建物やトイレ棟、駐車場などが見えた時には「あそこからここまで歩いて来たんだっ!!」と感動してしまいました。
今度は視線を上げ360度ぐるり一回りしてみると、雲海の中にひょっとすると「芦別岳」「夕張岳」「大雪山系の山々」「日高山脈の山々」などが見えるらしいのですが、どれがどれだか、見え??いないのか?残念ながらさっぱり分かりませんでした。
ある方の登山ブログの中で「羊蹄山までも見える」と書かれているも目にしたのですが、私にはこれも見分けられませんでした…残念!!
今回の富良野岳登山は本当に天気に恵まれて、一日中ず~~っと青空の下での山行でした。
どの山に登ってもいつも思うのですが、「ずっとここでこの眺望を見ていたい…」「陽が暮れる前の明るい内に登山口に戻らなければ…」と、相反する思い。
山頂で画像や動画を一通り撮ってから、休憩と食事をとりながら眺望を堪能し小1時間ほど滞在しました。
後ろ髪引かれる思いを振り払って下山することにしました。
私のことですから来た道を上富良野岳まで戻る体力・気力は残っていないだろうと考えて、下山はまず富良野岳稜線分岐まで戻り、そこから「上ホロ分岐」へ下りていく道を選択することに決めていました。
稜線分岐から上ホロ分岐へ向かって三峰山の北斜面をトラバースして三峰山沢まで下って行きました。
緩やかなトラバース路からは眼下に上富良野の町が広がって見え、振り返ってみるとちょっと前まで山頂に立っていた富良野岳の姿が大きく見えていました。
三峰山沢まで下りてから、さらに登り返して上ホロ分岐のある登山道に合流しました。
上ホロ分岐辺りまで行くと、谷の向こう側の登山道を歩いている安政火口見学の観光客などの姿が見えてきて登山口も近いことになるので「ここまで来たか…」と一安心です。
尚、この「登山日記・富良野岳」シリーズは、今回をもちまして終了いたします。
ありがとうございました。
※ フリー百科事典ウィキペディア「 十勝岳温泉」、「十勝岳」、「富良野岳」、「三峰山」、「ナキウサギ」を参考にさせて頂きました。
ご訪問頂きありがとうございました。
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