『登山日記・富良野岳』-安政火口-
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国道38号線を芦別方面から滝里湖沿いを富良野市へ向かって南下し、空知川に架かる橋辺りに差しかかると、眼前に迫ってくるように見えてくるのが十勝岳連峰の山並みです。
北から南へ「美瑛富士」から「美瑛岳」、「十勝岳」、「上ホロカメットク山」、「上富良野岳」、「三峰山」、「富良野岳」へと連なる山々の姿にいつもここを通るたびに見とれてしまいます。
↑ 朝目覚めて真っ先に見るのが空模様です、広がっている青空にホッと一安心「やったー!」と叫びたい気分。
※ 以下の動画には風切音や機械音などの雑音が入っていますので、視聴に際しては音量に十分ご注意ください。
↑ これまでここに来るたびに何回となく目にしていた「登山口」、今日は初めてこの先へ足を踏み入れます。
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↑ 登山口駐車場の公共トイレ(左画像)、十勝岳温泉登山口駐車場からの富良野岳(右画像)
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↑ 十勝岳温泉登山道入口の左側にある「十勝岳産業開発道路記念歌碑」
※ 「十勝岳産業開発道路記念歌碑」について
十勝岳産業開発道路(現・道道291号吹上上富良野線)とは、様々な資料から中茶屋地区(上富良野町市街地と十勝岳温泉との中間辺りに位置する)から翁温泉地区(旧ヒュッテバーデンかみふらの、現・富良野 思惟林(しゆいりん))を通り十勝岳温泉凌雲閣に至る道路を指しているようです。
その計画が本格化する昭和34(1959)年当時、翁温泉地区の褐鉄鉱開発や旧火口辺りの硫黄鉱再開発などの意図もあって「産業開発道路」と呼ばれたようです。
自衛隊と委託契約を結び、自衛隊第三〇八地区施設隊を基幹として第二施設大隊(旭川)の支援のもとに、 昭和36(1961)年に中茶屋から第1期工事が始まり、途中十勝岳の噴火により工事の中断を余儀なくされましたが昭和40(1965)年5ヵ年にわたる工事(凌雲閣前までの8.8㎞)が竣工しました。
工事に関わった施設隊と支援部隊の隊員らによる歴史に残る大きな偉業を讃え、第二師団長渡辺 博陸将による短歌「春あけやらぬ十勝の 拓道に 防人の若き力をたぎまする」(同氏による揮毫(きごう))が刻まれた歌碑が建立されました。
そして、そのたびに以前紹介しました「望岳台登山口からの十勝岳登頂断念」の苦い記憶を思い出し、「もう一度挑戦し十勝岳山頂に立って、そこからの眺望を見てみたい」と思う私でした。
年が明け春が過ぎ初夏を迎えて、やっと登山道の雪解けも進んで私のような未熟者でも高山への登山ができるシーズンがやってきました。
待ちに待ったシーズンが来たとは言え、いきなり「十勝岳」への登山は無謀で「また途中撤退するかも」という不安もありましたので、まずは足慣らし体慣らしのために「富良野岳」への登山を計画することにしました。
↑ まずは安政火口を目指して歩いて行きました。「上ホロカメットク山 4.4㎞ 富良野岳 5.1㎞」と書かれた道標が道端にありました。
いろいろネットで調べてみると、「十勝岳温泉にある登山口から上富良野岳へ向かい三峰山を経由して富良野岳へ至るコース(「山と高原地図」によると往路で5時間30分ほど)」は私の体力的にも時間的にもちょうど良い感じでしたので、今回挑戦してみることにしました。
上富良野岳へ向かう途中にある「上ホロ分岐」から「富良野岳稜線分岐」を経て富良野岳へ登るコースもありますが、「山と高原地図」によると往路で3時間30分程となっていました。
↑ 「三段山分岐」に差しかかりました。ここは登山口から安政火口までの中間辺りになります。
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ただし下山時は、上富良野岳には戻らず富良野岳稜線分岐から上ホロ分岐へショートカットして下りることにしました。
ということで、今回はまず「安政火口」(別名:ヌッカクシ火口)ということでその様子を紹介します。
(訪問日:2021年(令和3年)7月下旬)
↑ 安政火口へ向かう道、正面に見えている山頂部がギザギザしている岩は「八つ手岩」かな?
↑ 安政火口へ向かう道、また正面に見えてきた大きな岩は「化物岩」かな?
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「時間的にも良い」とは言っても、基本「早朝に出発し明るい内に下山する」ということを登山の原則にしているので、夜のうちに現地に向かい前泊(車中泊)していつもの様に早朝から行動開始する計画です。
「天気予報」的には翌日は「晴れ」の天気図と予報でしたので、勤務終了後一旦帰宅しリュックなどの荷物を積み込んでから現地である「十勝岳温泉」へ向かいました。
↑ 安政火口へ向かう道、注意看板「注意 この先 落石・崩落の危険がありますので注意して下さい」しばらく眺めて判読することができました、後ろを振り向くとこんな感じでした(右画像)
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↑ 安政火口へ向かう道、振り返ると凌雲閣が小さく見えました(ズーム、左画像)、下に視線を落とし谷側を見るとヌッカクシ富良野川(春の雪解け頃にはもっと大きな流れになっているのでしょう…、右画像)
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十勝岳温泉には、間近で十勝岳などの山並みが見られるビューポイントなので、これまでにも何度か自動車やバイクで訪れたことがあり、富良野市から国道237号線に入り中富良野町、上富良野町へと北上しさらに道道291号線に入り結構な坂道を十勝岳温泉へ向かって上って行きます。
十勝岳温泉の最奥に湯元凌雲閣(ゆもとりょううんかく)があり、その傍に駐車場(無料トイレ有)と登山口(標高1280m)があります。
↑ さらに安政火口へ向かって進みます(左画像)、左手の山側の上を見上げると何やら機械が設置されていました(右画像)
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十勝岳温泉へ向かわずに途中の交差点で左折して進んで行くと、「吹上露天風呂」(ドラマ「北の国から」の中で田中邦衛さんと宮沢りえさんが入浴するシーンのロケで使われた)や望岳台(十勝岳登山口)があり、さらに行くと美瑛町の白銀温泉街へと続いています。
ミーハーな私はそのドラマを見てから早速「吹上露天風呂」に行ってみましたし、噴煙が立ち昇る十勝岳の姿を眺めに十勝岳温泉・凌雲閣へも何度か足を運びました。
↑ 安政火口へ向かう道、その反対の谷を越えた向こう側を見ると山腹を斜めに通っている登山道が見えました
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それで十勝岳温泉・凌雲閣の傍に広い駐車場があり十勝岳への登山口もあることは知っていましたが、入山届の入っている箱から先へ足を踏み入れたのはこの時が初めてでした。
今回の最終目的地「富良野岳」は、石狩山地・十勝岳連峰の南西部に位置し富良野市と上富良野町にまたがる標高1,912mの山で、大雪山国立公園に指定されています。
↑ いよいよ安政火口が近づいてきました、この辺りまで来ると「真に火山!」という雰囲気が出てきました
登山道は私が今回登った北側の十勝岳温泉登山口から(山頂までの標高差:約650m)と、南側の原始ヶ原(げんしがはら)登山口から(山頂までの標高差:約1,200m)の二つの登山道があります。
登山に際して私は「山と高原地図」や国土地理院の地形図などを見て計画を立てたりしているのですが、特に山と高原地図に表記されている登山道各区間の所要時間を参考にさせてもらっています。
但し、私はそこに記載された時間では歩けないのは百も承知していますので、傾斜のきつさなどによってその1.5倍とか2倍とかしながら計画を練りっています。
登山Webメディア・ヤマハックの富良野岳を紹介するサイトの中で「山頂までの標高差は650mほどで急登や難所もなく頂上までは約3時間30分の道程、初心者でも安心して挑戦できる」という文章を目にし、「これだっ!今回は富良野岳に登ろう!!」と決めた次第です。
↑ 谷の底へ下りて行き、左へ登って行くと安政火口へ、右へ進んで行くと富良野岳へ向かう分岐点です
↑ 右へ進んで行くと富良野岳へ向かう登山者の姿、私はまず噴煙が出ている「安政火口」を見たいので、左へ向かうことにしました
暦はやっと7月下旬となって「さすがの十勝岳連峰の山々に降った雪も大方融けている頃ではないかな?」「まだ使ったことのない「アイゼン」なんか必要のない頃じゃないかな?」「『初心者でも登れるコース』だから足慣らし・体慣らしにはもってこい!」と考えました。
そう思った私は、いつものトレッキング的な装備(但し、水分は余裕をもって多めに)を持って登山口に向かいました。
↑ 安政火口へ向かいます、朝日が差し込み逆行でフレアが出ていますが画像の中央辺りに小さく角のような物が2本見えているのが「夫婦(「ふうふ」、あるいは「めおと」)岩」と呼ばれている岩(左画像)です。
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期待と不安の入り混じった気持ちで登山口を出発すると、広く整備された穏やかな道が続いていました。
歩きやすい道を30分程進むと、「三段山」への分岐の道標がありました。
右手下方に流れているヌッカクシ富良野川沿いに伸びている登山道をさらに進んで行くと、「注意」と書かれた看板が道端に立っていました。
↑ 安政火口付近を登って行きました、白っぽくなっているのは「霧」ではなく火口から立ち昇っている「噴煙」にせいです
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そこを過ぎて間もなくヌッカクシ富良野川上流にある「安政火口と富良野岳の分岐」に着きました。
私は迷わずまだ行ったことのない「安政火口」(ヌッカクシ火口とも呼ばれている)へ向かうために分岐点を左へ進んで行きました。
分岐点付近は大小さまざまな岩石がゴロゴロしているような「真に火口」を思わせる状態でしさらに上へと上へと進んで行くと地面の所々から絶えず噴煙を上げている火口が見られました。
※ フリー百科事典ウィキペディア「 十勝岳温泉」、「十勝岳」、「富良野岳」、「上富良野町郷土をさぐる会サイト『-石碑[いしぶみ]が語る上富の歴史(その13)-十勝岳産業開発道路記念歌碑』及び『十勝岳温泉開発をめぐる背景「会田久左エ門氏 苦闘の歴史」』、「北海道応援のブログ 『十勝岳産業開発道路記念歌碑』を参考にさせて頂きました。
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