『道北の旅Ⅱ』-北のカナリアパーク-
こんにちは、ご訪問頂きありがとうございます。
今回は利尻島から礼文島へ渡り、まず最初の観光地として映画「北のカナリアたち」の舞台となった小学校のセットがある「北のカナリアパーク」(礼文郡礼文町知床村奮部)を紹介します。
(訪問日:2019年(令和元年)7月下旬)
前々回紹介しました「ポン山」への登山(というほどのことでもなかった気もしますが…)を終えたことで利尻島を大雑把にですが観光できたので、翌日からは礼文島へ渡り主だった所の観光名所巡りを計画していました。
↑ 香深港フェリーターミナルビル前にある公園
利尻島・鴛泊港発~礼文島・香深港行のフェリーの朝一番の便は、「午前9時20分~10時05分」となっていました。
↑ あちこち探さなくても直ぐに目についたターミナルビル近くのレンタルバイク・サイクルの店舗
これに乗り遅れると次の便は「午後1時15分~2時」ですので、これだと大切な一日の半日がなくなってしまうことになり、私としては「絶対に遅れるわけにはいかない、必死の形相」でした。
↑ 「北のカナリアパーク」へ向かう道路のようす
「フェリーターミナルに30分前に着いていればいいな…」と思い、ターミナル傍の駐車場に停めた車中で「今日はどこを見て回ろうかな…?」と予定を再確認していました。
↑ 「北のカナリアパーク」へ向かう道路、この日一日苦楽を共にしたレンタルサイクル(三段変速自転車;画像・右)
フェリーを含めて海の乗り物に乗る機会なんて普段は皆無に等しい訳ですから、「フェリー乗船中は室内の椅子に座っている」なんてことは私の辞書には載っていません。
↑ 三段変速自転車でも結構きつかった坂道を登って行くと、灯台が、そして小学校らしい校舎の姿も見えてきました
鴛泊港(おしどまりこう)から香深港(かふかこう)へのわずか45分間の行程・離岸から着岸まで「1分たりとも無駄にできない」という心持であちこち歩き回ったり、じっと見て居たりしました。
※ 以下の動画には風切音、機械音などの雑音が入っていますので、視聴に際しては音量にご注意ください。
船は無事に香深港に着岸し、念願の二つ目「礼文島の地」に私はついに降り立ちました。
港に降り立ち、まずやらなくてはならないことの一つに「レンタルバイクもしくはレンタルサイクル」を確保することがありました。
↑ 坂道はまだまだ続き辛かったのですが、左手からやがて正面に間近に見えてきた「麗端小学校岬分校」の姿に背中を押されている気分でした
計画では二日間で礼文島の主な観光地を巡って歩く予定でいました。
離島とはいえ、私の短めの足(「短い」と言った方が正しいかな…?)で歩いてぐるり島を回るには時間がかかり過ぎます。
『 北のカナリアパーク
北のカナリアパークは、東映創立60周年を記念して製作された、映画「北のカナリアたち」のメインロケ地である礼文島に建てられた、ロケ校舎(麗端小学校岬分校)を中心とした記念公園です。
映画の撮影は、体感温度が-30℃とも言われる厳寒の2011年12月から始まり、翌2012年7月のクランクアップまでの期間、礼文島をはじめ利尻島や稚内市・豊富町等で行われ、同年11月3日の全国公開からは沢山の感動の輪が広がっています。
平成25年7月27日
礼文町長 小 野 徹 』
↑ 麗端小学校岬分校へ着きました、足が「ぼっこ」になったようなダルさを感じながら…
私みたいな行き当たりばったりで、計画があってないような行動をするわがままな正確にはどちらにも合いません。
かと言って、路線バスだと「待ち時間」がもったいない、観光バスだと「自由に場所と所要時間が決められない」でしょう。
※ 路線バスは手を挙げると乗車することができ、停留所のない場所でも降りることができるそうです。
いつもバイクや車で天気の顔色見ながら北海道中をあっちに行ったりこっちに行ったりしていると、どうしても「よく言えば臨機応変」、「悪く言えば優柔不断?」的な性格になってしまうような気がします。
さすが礼文島、さすが観光地、フェリーターミナルビルを出て道路を挟んで50mも離れていないところに「レンタルバイク・サイクル」ののぼり旗はためく店舗の姿が目に入りました(この店の存在は事前に調べ済ではありましたが)。
ところがです、「第一希望のレンタルバイク(50、90,125㏄が数台)」はもうすでに全車貸し出されていて残りなし、「レンタルサイクル(3段変速自転車、電動アシスト付自転車が10台まであったかどうか…)」も3段変速自転車が残り1台という「地獄への一歩手前状態」でした。
「レンタルバイクに乗って礼文の風を感じながら観光地を回る」という私のささやかな夢も水の泡と消えましたが、レンタルサイクルを確保できたことはこの上ない喜びでした。
天気は生憎の「曇り空」でしたので「青空の元での眺望は明日に望みを託す」ことにして、天気に期待しなくても楽しめそうな所は…。
「『北のカナリアパーク』なら映画のロケで使われた麗端小学校岬分校のセットがメインだから」と思ったので行ってみることにしました。
後で考えてみたら、「こここそが青空の元の眺望が一番見たかった所」でした。
それは、海に浮かぶ「利尻富士」を含めて「利尻島」の姿が一番美しくよく見える所だったからでした(だからこそ映画のロケ地にも選ばれたのでしょう、でもこの時は海上に靄がかかっていて利尻富士の「ふ」の字も見えませんでした)。
※ 以下の動画には音声が入っていませんので、予めご了承ください。
「北のカナリアパーク」は、礼文島の南部(ほぼ礼文島の南端に位置している)にある観光スポットです。
2013年にオープンし、年間約4万人の観光客が訪れるそうです(多分、新型コロナウィルスが流行する前の数字だろうと思いますが)。
『 美 術 設 定 (説明板より)
はる先生と教え子たちの思い出が詰まった、島の麗端小学校岬分校。
ここが大きなドラマの舞台となる。この映画では礼文島の奮部に、分校セットを実際に建てて撮影が行われた。
原田満生 MITSUO HARADA
PROFILE
福岡県出身。「不夜城」(98年)などのセットデザイナーを経て、「傷だらけの天使/愚か者」(98年)で美術監督を務める。「顔」「ざわざわ下北沢」(00年)で第55回毎日映画コンクール美術賞。第20回藤本賞特別賞を受賞。「亡国のイージス」(05年)では第29回日本アカデミー賞・優秀美術賞、「東京タワー オカンとボクと、時々、オトン」(07年)では、第31回日本アカデミー賞・優秀美術賞を受賞し、一躍脚光を浴びる。近作に、「大鹿村騒動記」(11年)、「テルマエ・ロマエ」(12年)など。
岬分校全景
美術監督の原田満生によれば、先行して島へロケハンに向った撮影の木村大作から、ある日、分校に建てる候補地の写真が送られてきたという。「最初は既存の分校を使う案も出たんですが、平屋の木造校舎というイメージでしたから、なかなかピッタリの建物がなかったんです。ですからセットで作ることにしました。木村さんが候補地の写真を送ってくれたんですが、そこは葦が生えた草原で、近くにライフラインも通っていない。しかし利尻富士がバックに見えて風景的に良かったんです」
分校外観
原田自身は昨年9月に現地を訪れて、セットの建て込みを開始した。ただこの映画のセットとしてだけでなく、撮影後も記念館として保存することが決まっており、本建築に近い頑丈さが必要だった。「内部の構造は教室が三つと職員室がひとつ。基本的に使うのは教室ひとつですが、外から他の部屋も見えますので。建物は築50~60年をイメージしました。利尻島に廃校になった学校があって、そこの床材と遊具をもらってきました。映画的な嘘としては教室に窓が多いことです。教室の外に、いつも利尻富士が見えるようにしたかったので、黒板のある壁を除く三面が窓の教室になっています」
教室
昨年は雪の降り始めが早く建物の塗装をしているときにはペンキが凍ることもあったとか。また原田を悩ませたのは、撮影順が20年後からだったことだ。「通常は綺麗な状態を撮ってから、廃校になった20年後をやるときにセットを汚したり壊したりする。でも今回は順番が逆でしたから、まず廃校になっている感じを出すために、綺麗に仕上げた床や壁に、20年後の艶のない床や汚れた壁の板を張って撮影を行いました。それを剥がすと昔のきれいな分校が出てくるようしたんです」また、分校の校門や側のバス停も美術班が作ったセット。それを感じさせない時代と生活を匂わせた、見事な仕上がりになっている。
はるの家
島の家々や、通り沿いの飾りはどこかノスタルジックな想いを醸し出していて、日本の原風景的な世界観でまとめられている。「20年前と言っても中途半端な過去なので、もう少し古い空気感で全体を仕上げています。懐かしさや温かみみたいなものが感じられる世界観にしたかった。例えばはる先生の家は、実際の建物は外壁が真っ白で現代的なんです。その壁に古い板を張り付けて、もっと時代がかった感じに仕上げました。冒頭の犬がほえているとおりなども、すべて美術的に手がかかっています」
情景
また20年前の冬の場面で、はる先生と子供たちがコンサートの後に歌を歌いながら歩く知床の雪道も、美術的に加工している。「ひとつの通りを通行止めにして、積もっている雪から木の電柱など、すべて作りこんでいます。木村さんのオーダーで背景に見える家のいくつかの煙突から煙を出して欲しいと言われました。煙突がない家もあったんですが、そこには煙突らしきものを作ったんです。大変なロケでしたけれど、先生と子供たちの楽しい雰囲気を伝えるためには、非常に効果的な場面になったと思います」 』
女優・吉永小百合さんが主演した映画「北のカナリアたち」の公開を記念して、ロケ現場として使用された校舎のセット等が一般公開されています。
映画「北のカナリアたち」は2012年(平成24年)に東映創立60周年記念作品として制作され、湊かなえ氏原作、阪本順次監督、主演の吉永小百合さん116本目の出演作品でした。
2011年(平成23年)12月にクランクインし札幌から稚内、利尻島・礼文島などで冬のシーンが撮影されましたが、その際記録的な吹雪に遭遇するなど自然の猛威にさらされながらの撮影だったそうです。
第36回日本アカデミー賞では、最多の12部門で優秀賞を受賞、その内3部門で最優秀賞を受賞しました。
※ 利尻島観光ポータルサイト「りしぷらRISHIRI PLUS 『利尻島』」・「りしぷらRISHIRI PLUS「利尻富士町サイト 『礼文島』」、フリー百科事典ウィキペディア「北のカナリアたち」、礼文町ホームページ「北のカナリアパーク」、GOOD!HOKKAIDO!サイト「北のカナリアパーク」を参考にさせて頂きました。
ご訪問頂きありがとうございました。
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