『廃止線駅巡り・日高本線(一部区間)』-旧大狩部駅-
こんにちは、ご訪問頂きありがとうございます.
今回は、「旧大狩部駅(きゅうおおかりべえき)」(新冠郡新冠町字大狩部)を紹介します。
(訪問日:2021年(令和3年)6月上旬)
大狩部駅は、1958年(昭和33年)に日本国有鉄道日高本線大狩部駅(旅客のみ取扱い)として開業しました。
※ 以下の動画には風切音や機械音などの雑音が入っていますので、視聴の際には音量にご注意ください。
以下、本駅の歴史を紹介します。
・1987年(昭和62年)に国鉄分割民営化に伴い、JR北海道の駅になりました。
・2015年(平成27年)、厚賀駅-大狩部駅間が高波の被害により本駅ー様似駅間の運行が休止されました。
※ 以下の動画には風切音や機械音などの雑音が入っていますので、視聴の際には音量にご注意ください。
・2021年(令和3年)、本駅-様似駅間の廃止に伴い廃駅となりました。
単式ホーム1面1線をもつ地上駅(無人駅)で、転轍機を持たない棒線駅でした。
ウィキペディアフリー百科事典「日高本線」から、その「歴史」記述中の中の自然災害による被害などについて以下に抜粋してみます。
※ 以下の動画には風切音や機械音などの雑音が入っていますので、視聴の際には音量にご注意ください。
・1958年(昭和33年)7月;大雨の影響で本桐駅-荻伏駅間、荻伏駅-浦河駅間、浦河駅-日高幌別駅間で土砂災害が発生。
・同年8月;大雨の影響で新冠駅-静内駅間で線路が冠水、厚賀駅-節婦駅間で土砂流失、春立駅-日高三石間で道床沈下等の被害が発生、厚賀駅-様似駅間が一時不通となる。
・1960年(昭和35年)12月;護岸の浸食が顕著になったため清畠駅-厚賀駅間の線路を内陸に付け替え。
・1970年(昭和45年)1月;悪天候のため大狩部駅付近の線路の路床が50mにわたって抜けレールが宙吊りになる被害が発生。
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・1973年(昭和48年)9月;大雨のため日高門別駅-豊郷駅間土砂崩れが発生し急行列車が現場に突っ込み全車両が脱線する事故が発生。日高門別駅-節婦駅間の10箇所以上で土砂崩れが発生し厚賀駅-節婦駅間で貨物列車が現場に突っ込み脱線する事故が発生し鵡川駅-節婦駅間が不通となる。
・1981年(昭和56年)7月;豪雨の影響で土砂流出が発生し富川駅-様似駅間が不通となる。
・同年8月;記録的な豪雨の影響で日高門別駅-様似駅間が不通となる。
・1982年(昭和57年)3月;浦河沖地震が発生し40箇所以上で陥没が発生し静内駅-様似駅間が不通となる。
・同年8月;大雨の影響で静内川鉄橋が被害を受け、静内駅-日高三石駅間が不通となる。
※ 以下の動画には風切音や機械音などの雑音が入っていますので、視聴の際には音量にご注意ください。
・1995年(平成8年)8月;大雨のため土砂災害が発生し日高門別駅-静内駅間で運転見合わせ。
・2003年(平成15年)8月;台風10号の影響により列車の運転見合わせ、節婦駅-新冠駅間の橋梁が流され94箇所で土砂流入などの被害が発生。
・同年9月;十勝沖地震が発生し静内駅-様似駅間が不通となる。
・2004年(平成16年)7月;台風8号の影響により門別町内の護岸壁が破損し鵡川駅-静内駅間で運転見合わせ。
・2006年(平成18年)10月;発生した低気圧の影響で美川駅-静内駅間の22箇所で土砂流入などが発生。
・2015年(平成27年)1月;厚賀駅-大狩部駅間で高波により路盤の土砂が流出し鵡川駅-様似駅間が不通となる。
以上のように、これまでに大雨や台風などの自然災害により日高本線が幾度も被害を受け、そのたびに一部の駅間が不通となっていたことがわかります。
YAHOO!JAPANニュース(2021/4/21(水)15:25付)で「JR北海道日高線の一部廃止、利用者減だけでなく、迫り来る海岸線の脅威に力尽き」(鉄道ジャーナリスト;梅原淳氏)という記事を見ました。
この記事によりますと、「国鉄はこれまで海岸線に沿う線路を国土と共に何が何でも守り抜くという覚悟」で臨んできましたが、ここに来て「民営化により誕生したJR北海道には限界があった」と述べられています。
※ 以下の動画には風切音や機械音などの雑音が入っていますので、視聴の際には音量にご注意ください。
またその記事の中で、厚賀駅から厚別川橋梁付近の海岸線は1951年(昭和26年)に線路から97mは離れていたものが浸食によって1959年(昭和34年)の時点では線路の直前まで迫ってきていたということです。
話は海岸線浸食の話から変わりますが、読売オンラインニュース(2021/2/19 6:38付)で「【独自】国境の2離島が消失か、存在を確認できず…領海に影響する恐れ」という記事を見ました。
その記事の中で、全国に480超ある「国境離島」のうち、少なくとも2島について消失した可能性のあることがわかった。いずれも了解の起点となっており、領海範囲に影響する恐れがある。」
その二つの島は「いずれも北海道にある面積百数十平方メートルの『節婦(せっぷ)南小島』(新冠町約220m沖合に位置し、地震により海中に沈んだらしい)と、『汐首(しおくび)岬南小島』(函館市沖約100mに位置し、対岸陸地で護岸を築いた際に組み込まれたらしい)です。
他にも2020年末時点で存在が確認できていない島が8島あるそうです。
※ 以下の動画には風切音や機械音などの雑音が入っていますので、視聴の際には音量にご注意ください。
前述の二つの記事を読んで、日高本線の一部廃線の遠因の一つではないかなと思う海岸線の維持管理とか、領海に影響する離島の管理などは、ある意味地味で目立たなく後回しにされそうな事柄ですが、ないがしろにできない大事なことなんじゃないかと思いました。
あと、「外国資本によってあちこちの観光地や水源地が買われている」というニュースなども気になるところではないでしょうか。
※ ウィキペディアフリー百科事典「大狩部駅」、YAHOO!JAPANニュース(2021/4/21(水)15:25)「JR北海道日高線の一部廃止、利用者減だけでなく、迫り来る海岸線の脅威に力尽き」、読売新聞オンラインニュース「【独自】国境の2離島が消失か、存在を確認できず…領海に影響する恐れ」(2021/02/1906:38)を参考にさせて頂きました。
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