『登山日記・羊蹄山』-外輪山から山頂へ②-

スポンサーリンク

羊蹄山山頂? こんにちは、ご訪問頂きありがとうございます。

 今回は、「外輪山から山頂(喜茂別ピーク:1,898m)へ②」の周辺の様子を紹介します。

      (訪問日:2018年(平成30年)9月下旬)

 まずは京極ピーク(1892.7m)を目指して羊蹄山外輪山を時計回りに進んで行きましたが、山頂へ雲が流れて来ているのでしょう、これからという肝心な時になって外輪山周辺はガスに囲まれてしまいました。

 所々に記されている矢印のペイントを頼りに登山道を進んで行くのですが、右も左もガスっていて真っ白でホワイトアウト状態です。

京極ピークへ 京極ピークへ

京極ピークへ 京極ピークへ

※ 以下の動画には風切音や機械音などの雑音が入っていますので、視聴に際して音量にご注意ください。

 ごつごつした大小様々な形の岩を乗り越えて行かなくてはならないような道で、たぶん両側は切り立った崖の急斜面になっているはずです。

 そうかと思うと、少し前まで眼の前が真っ白だったのがスーッとガスの切れ間がやってきて青い空まで覗いて視界が開ける時もありました。

京極ピークへ 京極ピークへ

京極ピークへ 京極ピークへ

 そのガスが開けた時に、前方数十m先の方に小高い岩のてっぺんに標柱のような物が立っているのが見えてきました。

 「ひょっとしたら…、あれが山頂の標柱?…」と期待しながら向かいました。

京極ピークへ 京極ピークへ

京極ピークへ 京極ピークへ

京極ピークへ 京極ピークへ

※ 以下の動画には風切音や機械音などの雑音が入っていますので、視聴に際して音量にご注意ください。

 ところが着いてみると、確かに木の柱で誰かが何かの目的でそこに立てた物のようではありましたが、多分長年の風雪によって朽ち腐って折れた跡が見て取れました。

 柱には文字らしいものは一切刻まれてなく、案内が書かれた道標のような横木も周囲には落ちていませんでした。

 朽ちかけた木の柱がポツンと岩の間に立っているだけでした。

山頂へ 山頂へ

山頂へ 山頂へ

 大きな期待外れでしたが気を取り直して山頂へ歩き始めると、ガスの晴れ間も束の間で、数分後にはまた白いカーテンが音もなく流れて来て再び白い世界に包まれてしまいました。

 そんなことを何度か繰り返す中、私は山頂へ何とか辿り着きたくて目の前に続いている岩の間に踏み跡や記されているペイントを探しながら必死で進んで行きました。

山頂へ 山頂へ

山頂へ 山頂へ

 何せガスのせいで視界は数mしか利かない状態だったので、周囲の様子がよく見えませんでした。

 多分この登山道のある外輪山の内側は「父釜(大火口)」に向かって深さ200mという斜面になっているはずです(北山に向かう前の外輪山分岐の所で見ましたので確かです)。

山頂へ 山頂へ

山頂へ 山頂へ

 その外輪山の外側にしても羊蹄山の麓に向かって切り立つような斜面が続いているはずです。

 内側、外側、どちらにしても「万が一滑落でもしたら…」と思うと、さっきまでの「山頂を目指したい、山頂の銘板を見るぞ!」という気持ちがだんだん萎えてきてしまいました。

山頂へ 山頂へ

山頂へ 山頂へ

    こんな状況の中で山に登るなんて初めてのことでした。

    もし、この時スマホを持っていて「登山用のGPSアプリ」があれば「鬼に金棒!」で「苦渋の選択、羊蹄山登頂断念」をしなくても良かったかもしれないと思います。

山頂へ 山頂へ

山頂へ 山頂へ

 この時の私は本気でその必要性を感じていなかったので、携帯電話はまだ二つ折りの「ガラ携」で、登山用のGPSアプリなど使えるはずのないものでした。

 私が登山用のGPSアプリの必要性を感じ「スマホとGPSアプリ」を手に入れたのは、2回目の羊蹄山登山(真狩コース)で2回目の道迷い(初めの道に迷いかけたのも今回の羊蹄山登山の帰り道でした)を体験した後のことでした

山頂へ 山頂へ

山頂へ 山頂へ

 周囲を取り巻くガスはますます濃くなる一方で、とても晴れ間を期待できそうもない雰囲気となってきました。

 「山頂に向かっているつもりだけど、果たしてこれで間違いないのだろうか…?」、「このまま歩いて進んで行っても大丈夫だろうか…?」「ここで引き返した方がいいのでは…」と、だんだん不安に思うようになりました。

旧避難小屋跡へ 旧避難小屋跡へ

旧避難小屋跡へ 旧避難小屋跡へ

 ガスも怖かったのですが、一番気になっていたのは「時間」でした。

 羊蹄山は登山口から山頂までの標高差が大きく所要時間がかかるということで、4つあるコースの内でも比較的緩やかで外輪山の時計回りの方が歩きやすいということで「倶知安コース」を選択しました。

旧避難小屋跡へ 旧避難小屋跡へ

旧避難小屋跡へ 旧避難小屋跡へ

 朝6時前には登山口を出発したのですが、ガスの中で時計を見ると正午はとっくに回ってしまっていました。

 上りほど時間はかからないけれど、下りも4時間ぐらいはみておかないと不安です。

 帰り道で旧避難小屋跡に立ち寄ることも考えていたので、逆算してみると、もうそろそろ下山しないと明るい内に登山口に着くことができないことになりました。

旧避難小屋跡へ 旧避難小屋跡へ

旧避難小屋跡へ 旧避難小屋跡へ

 今回の登頂は諦めて、来年になるか再来年になるか分からないけれど再挑戦することを心に決めて、残念で後ろ髪惹かれる思いは大いにありましたが暗い道を歩くのは避けたいのでここで引き返して下山することにしました。

 北山へ向かう途中の分岐で「子釜」と「父釜」の間を通る火口中央道へ入り、旧避難小屋へ向かいました。

旧避難小屋跡へ 旧避難小屋跡へ

旧避難小屋跡へ 旧避難小屋跡へ

 山頂を諦め外輪山を戻って旧避難小屋へ向かい、後ろを振り向くとさっきのガスに覆われ真っ白だったた山頂付近は嘘みたいにガスが流されて晴れていく様子が見えました。

 「えっ、嘘だろう!?あのホワイトアウト状態だったガス晴れてきている…」

旧避難小屋跡へ 旧避難小屋跡へ旧避難小屋跡へ 旧避難小屋跡へ 旧避難小屋跡へ 旧避難小屋跡へ

 「もう少しがまんして進んでいれば…」とも思いましたが、時計を見て「戻って来て正解!!」若干の負け惜しみもあったかもしれませんが…。

 この時の季節は秋なのでほとんど花の姿は見られませんでしたが、小釜を過ぎた辺りの所は春には「お花畑」となるのだそうです。

  旧避難小屋跡へ  旧避難小屋跡へ

 火口中央道は急坂というほどではありませんが、けっこう上り下りがあり、時計を見る見るしながら先を急ぎました。

 時間が経つにつれてさらに山頂と思われる辺りにかかっていたガスが徐々に薄くなって行きました。

旧避難小屋跡へ 旧避難小屋跡へ

旧避難小屋跡へ 旧避難小屋跡へ

 小高い丘の上に旧避難小屋跡と思われる灰色のコンクリートらしいものが見えてきました。

 旧避難小屋跡へ続く高台からは、真ん中の父釜を挟んで対面に山頂を含んだ外輪山の山並みが見えていました。

旧避難小屋跡へ 旧避難小屋跡へ

旧避難小屋跡へ 旧避難小屋跡

 さっき私がいたときの白い世界はほとんど姿を消していて、カメラを望遠にして覗き山頂を探してみました。

 その山並みの所々には、おできの様にちょこんと三角の形に飛び出しているピークがいくつか見えました。

旧避難小屋跡から 旧避難小屋跡から

外輪山の山並み 外輪山の山並み

 ここからは「ドングリの背比べ」のように見えて、その中のどれが最高標高点(山頂)なのか見分けがつきませんでした。

外輪山の山並み 外輪山の山並み

外輪山の山並み 外輪山の山並み

 その場で振り返り反対側(北の方角)へ視線を移すと、まず眼につくのは手前西よりの山肌に「ニセコのスキー場」とその麓に広がるニセコの街並み。

 さらにその東側にいくと、パッチワークのように広がる畑の中に倶知安町と思われる街並みがパノラマのように見えていました。

旧避難小屋跡辺りからの眺望 旧避難小屋跡辺りからの眺望

旧避難小屋跡辺りからの眺望 旧避難小屋跡辺りからの眺望

※ 以下の動画には風切音や機械音などの雑音が入っていますので、視聴に際して音量にご注意ください。

旧避難小屋跡辺りからの眺望 旧避難小屋跡辺りからの眺望

 さらにさらに北西の方角へ視線を向けていくと海(日本海)が広がっていて、そこへ積丹半島が突き出しています。

 その半島の根元辺りに特徴的な半球形をしたドーム状の屋根がある建物、泊原子力発電所までも見えていました。

旧避難小屋跡辺りからの眺望 旧避難小屋跡辺りからの眺望

旧避難小屋跡辺りからの眺望 旧避難小屋跡辺りからの眺望

※ 以下の動画には風切音や機械音などの雑音が入っていますので、視聴に際して音量にご注意ください。

 雲が厚く垂れこめ曇っている今一つの天気ではありましたが、積丹半島まで見ることができ、まずまずの眺望を楽しむことができました。

 羊蹄山の標高1800m辺りの所から一通りぐるりとその眺めを見渡した後、時こくを気にしながらも旧避難小屋跡へ立ち寄りました。

旧避難小屋跡 旧避難小屋跡

旧避難小屋跡 旧避難小屋跡

 現在(令和4年)の「羊蹄山避難小屋」は9合目にあり、平成26年に老朽化した小屋の隣りに建て替えられたものだそうです。

 外輪山の西側に位置している旧避難小屋跡は、コンクリートの土台部分のみが残っています。

旧避難小屋跡 旧避難小屋跡

旧避難小屋跡 旧避難小屋跡

旧避難小屋跡 旧避難小屋跡

旧避難小屋跡 旧避難小屋跡

 この旧避難小屋が現役だった頃の小屋からの眺望はさぞ良かったことと思われます。

 ただ独立峰の羊蹄山、強風が吹きすさぶ中で小屋を維持管理するのも大変だったことでしょう。

登山口へ下山 登山口へ下山

下山し登山口へ 登山口へ

 旧避難小屋跡も一通り見たあと、ここまで来たのに登頂が果たせなかったという心残りが、下山を始める前にもう一度父釜の向こう外輪山の山頂方向を見返させました

 すると、薄いガスが流れ見え隠れしているあるピークに目が留まりました。

 岩山の上に爪楊枝ように立っている細い棒のようなものが見えたのです。

山頂か? 山頂か?

山頂か? 羊蹄山山頂?

※ 以下の動画には風切音や機械音などの雑音が入っていますので、視聴に際して音量にご注意ください。

 その瞬間「山頂の標柱じゃないのか?!」と疑いました。

 そこで、確かめようと思って望遠コンデジでズームして見てみると(下の画像ではわかりにくいのですが)、うんと細い標柱とその傍に立っている人の姿が見えたのです。

 そして、「きっとあそこが羊蹄山の山頂なんだっ!!」と感じました。

 次の瞬間、思わず腕時計の針に目をやりましたが「むり、むりっ…」。

下山途中の9合目 下山途中の9合目

 下山途中の9合目、旧避難小屋跡で見た眺望が嘘のように再び濃いガスで覆われてしまいました。

 かくして私の羊蹄山への初登頂は山頂に立つことができずに終わってしまい、近い内にリベンジを果たすことを強く心に誓いました。

※ 以下の動画には風切音や機械音などの雑音が入っていますので、視聴に際して音量にご注意ください。

 さらに恥ずかしながら「もう少しで登山口という1合目辺りで道に迷う」というハプニングにも遭遇してしまいました。

 2合目辺りから夕暮れ始め、1合目辺りではすっかり暗い夜道の下山となってしまいました。

 初めての「夜の登山道」、こんな時に備えて懐中電灯はいつも持ち歩いていました。

 でも朝歩いたはずの同じ登山道とは違うように見えて、何かの拍子に「あれっ、この道で良かったかな?」と思いこんでしまいました。

 「この道ではないんじゃないの?」と焦ってしまい行ったり来たりを何度か繰り返した末に、何とか登山口に戻ることができました。

 尚、今回でこの「登山日記・羊蹄山」シリーズは終了します、ありがとうございました。

※ ウィキペディアフリー百科事典「 羊蹄山」を参考にさせて頂きました。

 ご訪問頂きありがとうございました。

 

外輪山から山頂へ① ⇦⇦⇦ 今     回 ⇨⇨⇨ 次   回(準備中)

※青字部分をクリックすると、そのページが表示されます。

※これまで掲載した記事をご覧いただくには、「ホーム」ページの「インデックス」をご利用ください。

スポンサーリンク

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。