『道南の旅』-江差追分の功労者の碑、他-
こんにちは、ご訪問頂きありがとうございます。
今回は、「江差追分の功労者、他」として、「江差追分の功労者の碑」、「厳島神社」、「井戸」を紹介します。
(訪問日:2019年(令和元年)7月下旬)
前回紹介しました島の最も南側にある「キネツカ台場」を後にして、再び島の北へ向かって行きました。
江差追分の功労者の碑
かもめ島ステージ前にある大きな広場を横断してさらに北へ歩いて行きました。
ちょうどキャンプ場の裏側に当たる所になるのでしょうか?草が刈られ整備されたスペースがあり、その奥に「江差追分功労者・浜田喜一像」がありました。
昭和62年(1985)に建てられた銅像です。
浜田氏は大正6年(1917)に江差町で生まれた民謡歌手です。
戦後の民謡ブームの中、東京を中心に活躍しました。
江差追分会館の落成時に演示室の「江差屏風(えさしびょうぶ)」をモチーフにした緞帳(どんちょう)を寄贈しました。
江差追分の普及に情熱を傾け、昭和60年に惜しまれて他界し昭和62年の3回忌に像が建立されました。
その右側の少し離れた所に石碑「江差追分尺八先覚者 鴎嶋軒小路豊太郎翁之碑」がありました。
小路氏は、慶応3年(1867)に江差町で生まれました。
越後(えちご:新潟県)出身の虚無僧(こむそう)から尺八を学び、それまでの三味線だけの伴奏だった江差追分に尺八の伴奏方を確立しました。
昭和13年(1938)に札幌市で他界し、氏を顕彰するために平成元年(1989)に石碑が建てられました。
『 ⑦江差追分の功労者 (説明板より)
中央の銅像は、江差出身の歌手で江差追分(えさしおいわけ)の普及(ふきゅう)に尽力(じんりょく)した初代浜田喜一(はまだきいち)です。向かって右側の石碑は、江差追分(えさしおいわけ)に尺八伴奏(しゃくはちばんそう)を導入した小路豊太郎(こうじとよたろう)の記念碑です。2基(き)とも、有志の人々によって建てられました。 』
※ 緞帳(どんちょう)・・・舞台にある幕の一つで、客席から舞台を隠すための幕です。
※ 尺八(しゃくはち)・・・日本の木管楽器の一種で、リードのないエアリード楽器に分類されます。名称は標準の管長が一尺八寸(いっしゃくはっすん)であったことに由来します。演奏の仕方が似た楽器としては西洋のフルートや南米のケーナがあります。
※虚無僧(こむそう)・・・禅宗(ぜんしゅう)の一派である普化宗(ふけしゅう;日本仏教の禅宗の一つ)の僧(剃髪しない半僧半俗の存在)のことです。多くは小袖(和服の一種)に袈裟を(けさ)をかけ、深編笠をかぶり刀を帯し、尺八を吹き喜捨(きしゃ;進んで金品を寄付・施捨すること)を請いながら諸国を行脚修行(あんぎゃしゅぎょう)しました。
厳島神社
元和元年(げんながんねん;1615)に廻船問屋仲間が海上安全の願いを込めて弁財天社として建立されました。
北前船関係者、商家の信仰を集め明治元年(1868)に厳島神社に改称されました。
鳥居の柱は、天保年間に廻船問屋仲間が海上安全や商売繁盛のため社前に鳥居と共に弁財天社の第一の鳥居として建立し、その後波などで破損し一部を境内横に設置し現在に至っています。
方向石の手水鉢(ほうこういしのちょうずばち)は、江差廻船問屋・村上三郎右衛門が航海安全・商売繁盛を祈願し寄進したものです。
『 ⑥厳島神社 (説明板より)
慶長(けいちょう)20年(1615)に創建されたと伝えられる厳島神社(いつくしまじんじゃ)は、航海安全の神として船乗りたちに信仰されてきました。
境内(けいだい)には、加州(かしゅう石川県いしかわけん)の船頭(せんどう)たちが寄進(きしん)した石鳥居(いしどりい)や、方向の刻(こく)された手水石(ちょうずいし)が残されています。 』
井 戸
北前船飲用井戸(町指定文化財)、北前船がかもめ島に錨(いかり)を下ろし次の航海の準備で苦労したのが水の確保でした。
島には水がなかったので、明治9年に江差の問屋・村上三郎右衛門が莫大な経費と長い年月をかけて井戸を掘り当て、北前船航行に大きな便宜をもたらしたのがこの井戸でした。
『 ⑫ 井 戸 (説明板より)
明治(めいじ)9年(1876)、江差商人の村上三郎右衛門(むらかみさぶろうえもん)は、北前船(きたまえぶね)の船乗りたちに飲み水を提供するため、この井戸を掘りました。井戸を掘った際の記録の石碑が、井戸脇の岩盤に取り付けられています。 』
※ 「道南ブロック博物館施設等連絡協議会 江差町郷土資料館サイト 『南北海道の文化財』」、「江差町公式ホームページ『キネツカ台場跡』」、フリー百科事典ウィキペディア「緞帳」「尺八」「虚無僧」、北海道江差町の観光情報ポータルサイト「かもめ島」を参考にさせて頂きました。
ご訪問頂きありがとうございました。
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