『北海道のダム』-札内川ダム-
こんにちは、ご訪問頂きありがとうございます。
今回は、「札内川ダム」(河西郡中札内村)を紹介します。
(訪問日:2019年(令和元年)9月中旬)
札内川ダムは、十勝川水系札内川にあり、洪水調節・流水の正常な機能の維持・灌漑用水・水道用水・発電を目的に造られた「重力式コンクリートダム」です。
堤高114m、堤頂長300m、湛水面積170ha、総貯水量5400万㎥となっています。
↑ 「雪崩殉難碑」:昭和32年3月31日、札内川砂防堰堤築造中に大雪崩が起き、18名がその犠牲となりました。
1981年(昭和56年)に着工され、1998年(平成10年)に竣工しました。
↑ 雪崩殉難碑付近でふと視線を上げると、生い茂る樹木の間から橋が見えていました。この時は分からなかったのですが、ダム本体へ向かう道路の途中にある橋でした。
↑ 札内川ダム下流公園内にある「札内川ダム総合案内板1」
↑ 札内川ダム下流公園内にある「札内川ダム」の案内板
↑ 「札内川ダム」案内板よりダムの説明、その近くに立てられていた「熊出没注意!」の看板。時は夕方、他に人はいません。いつ熊が出てきてもおかしくはない雰囲気の公園。車内には登山用の「熊鈴」もありましたが…。
↑ 札内川ダム下流公園から橋を渡って札内川ダム左岸へ
中札内村市街地を通る道道111号線を西へ「札内川園地キャンプ場・ピョウタンの滝」方面へ向かいます。
ピョウタンの滝から「日本一の清流」と言われる札内川に沿って森の中をさらに3㎞ほど行くと、本ダムに着きました。
↑ 札内川ダム本体へ向かう途中、上から見下ろす「札内川ダム下流公園」の様子と左岸へ向かう橋
ダムから薬㎞ほど下流に作られた人造池「ひょうたん池」には、ダムの守り神「サツナイ竜」がダムを見つめています。
十勝川は、大雪山連邦十勝岳を源にし幹川流路延長156キロメートルの1級河川で、十勝川三大支流の一つが札内川です。
札内川は日高山脈の札内岳をその源とし、十勝平野で十勝川に合流し幹川流路延長82㎞におよんでいます。
十勝平野で主要な支川が合流し河川勾配も急であることから、その流域にはたびたび洪水被害をもたらしていました。
帯広市ほか6町村の水道用水需要の増加、農業のさらなる発展のための灌漑用水、放流を利用しての水力発電などからダムの建設が計画されました。
ダムが日高山脈襟裳国定公園内に位置することから、その建設に際しても付替え道路計画やダム本体施工法など自然への影響が少ないものを採るなど自然環境の保全に努められました。
道内のダムでは3位の堤高、15位の貯水量、十勝川水系のダムでは1位の堤高と3位の貯水量となっていて、2012年から年に1度「フラッシュ放流」を実施しています。
ダムによってできた人造湖は、湖面を上空から見ると竜のように見えることから「とかちリュウタン湖」と命名されています。
最近、札内川ダム周辺でクマが出没しているようで、私が訪れた時にも札内川ダム下流公園内にはラジオの音声が流されていました。
※ フラッシュ放流・・・ダムの下流域の河川形態を自然な状態に保全するために一時的に人工の小規模洪水を起こして水質の正常化や流砂の連続性確保図る目的で行う放流。
流れる水の量の変化が少ない状態が長い時間続くと、「よどみ」が発生し河床に汚れがついたままになり生態系に悪影響が出ることを防ぐなど河川環境の保全・改善を図るための一手法として取り組まれています。
※ 一般財団法人日本ダム協会Webサイト「ダム便覧・白金ダム」、ウィキペディアフリー百科事典「札内川ダム 」、北海道開発局・ 帯広開発建設部・札内川ダム管理支所「札内川ダムホームページ」を参考にさせていただきました。。
ご訪問頂きありがとうございました。
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