『道東の旅Ⅲ』-黄金道路-
こんにちは、ご訪問頂きありがとうございます。
今回は、「黄金道路(おうごんどうろ:広尾町~えりも町)」です。
(訪問日:2019年(令和元年)9月中旬)
黄金道路は、国道336号線:広尾町音調津(ひろおちょうおしらべつ)~えりも町庶野(えりもちょうしょや)を結ぶ区間内にある海岸沿いの道路です。
↑ ここから「黄金道路の始まり」という標示板が道路端にありました。
このルートが計画されたのは江戸時代からのことでした。
断崖絶壁からの岩石の崩壊や冬は雪崩が発生するなど、難工事が予想されるため長い間迂回路に頼っていました。
↑ この辺り(ツチウシ覇道)は、サーフィンに適した海岸らしく「サーフィンをされる皆様へ(お願い」という看板がありました。
工事が着工されたのが1927年(昭和2年)で、トンネルの掘削、海岸の埋め立て、崖を削るなどの難工事が続き、7年もの歳月をかけて1934年(昭和9年)にやっと完成しました。
そのため、「黄金を敷き詰められるほど建設に莫大な費用がかかった道路」ということから「黄金道路」と呼ばれるようになりました。
お金ばかりではなく、タコ労働など過酷な労働を強いられた者も多く、20人以上の犠牲者を出すほどの難工事でした。
そのため、道路には「殉職記念碑」など多くの石碑が建立されているそうです。
私は子供の頃、父の仕事の関係で日高地方の町に住んでいたことがあります。
十勝地方の町に親戚がいたので、この黄金道路を自動車で親戚の所へ行ったことを覚えています。
鉄道は、日高本線で苫小牧市から様似町(えりも町の手前の町)までで、その先はありません。
日高地方から十勝地方へ鉄道で行くには、札幌経由で根室本線を利用するしかありませんでした(すごく遠回りになります)。
50年も昔のことですから、田舎の大抵の道路は舗装されてなく砂利道が普通で、この黄金道路もそうでした。
悪天候で海が荒れると道路にまで波しぶきが飛んでくることも珍しくなく、現在でも天候によっては時々通行止めになっています。
広尾町音調津側の黄金道路入口付近にある「ツチウシ覇道(はどう」)辺りの海岸は、北海道で人気の「サーフポイント」のようです。
↑ ここ黄金道路でも海岸沿いを走る旧道から新しくて距離の長いトンネルに入れ替わっているようです。自転車で周っている旅行者にとっては長いトンネル(約5㎞あるそうです)はかなり恐怖だと思います(小さいバイクに乗り走っている私も長いトンネルは暗くて寒くて嫌です)。
えりも町庶野側の黄金道路入口付近に設けられているのが「望洋台」です。
↑ 自転車で周っている旅行者用に「光る腕輪」がこの箱の中に備えられているそうです。「時代だな!」と思い感心しながら蓋を開けてみたら、中は空っぽでした。「必要な時に無ければ何にもならない」と残念に思いました(私は4輪なので要りませんが)。
↑ 市街地に入り信号待ちで停まった時、そのすぐ近くの公園に「クマ 出没注意」の看板が立っていました。札幌の市街地にまでクマが出没する昨今です。見た時には一瞬驚きましたが、「ここに出ても全然おかしくはないか」と、すぐに思い直しました。
道路沿いの海側には駐車スペースと、ちょっとした階段を上った所には展望広場があります。
そこからは険しい岸壁が続く黄金道路と、波間に岩礁が覗いている太平洋を見渡すことができます。
※ ウィキペディアフリー百科事典「国道336号 」、「えりも町役場 ウェブサイト『風の町「えりも」観光ナビ』を参考にさせて頂きました。
ご訪問頂きありがとうございました。
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