『小樽散歩』-小樽市総合博物館・屋外展示④-
こんにちは、ご訪問頂きありがとうございます。
小樽総合博物館は、「旧小樽交通記念館」に「小樽市博物館」と「小樽市青少年科学技術館」を統合して平成19年(2007年)7月に開館した施設です。
今回も前回に引き続き「小樽市総合博物館・屋外展示④」(小樽市手宮1丁目)を紹介します。
車掌車 カブース 0503
初期の鉄道には、貫通ブレーキが装備されてなく、今の鉄道のように運転手の操作一つで列車全体にブレーキをかけることができませんでした。
機関車と車掌・制動手が乗務している少数の車両のみブレーキが取り付けられていて、機関士が警笛で合図することで乗務員が手作業でブレーキをかけていました。
この車掌・制動手が乗ってブレーキをかける車両がもともとの意味の緩急車です。
緩急車は貨物を搭載する車両に車掌や制動手が乗り込む場所を取り付けてあるものを指し、ブレーキをかける装置が取り付けられていても貨物を搭載できない車両は車掌車といいます。
アメリカ合衆国では車掌車・緩急車のことをカブースといいます。
屋根の上にキューポラと呼ばれる突き出した部分を作り、そこに監視窓が備えられているのが特徴的です。
第1号除雪車
幌内鉄道開通直後の1880年(明治13年)12月、手宮工場で雪払車が製作されましたが、当時は人力による除雪作業が中心で、十分なものとはいえませんでした。
1882年(明治15年)札幌―幌内間の鉄道が開通しましたが、冬期の運転は休止されていたようです。
1911年(明治44年)に我が国初の雪かき車が1両アメリカより輸入されました。木製の単線用ラッセル式除雪車でした。
鉄道院はその輸入車両を調査して、1912年(大正元年)から札幌工場や苗穂工場、手宮工場などで生産を初めました。
DD13 611
日本国有鉄道(国鉄)がヤード構内で車両入換作業に用いることを主目的に開発した機関車です。
それまで車両の入換作業には古豪の蒸気機関車が使用されていましたが、都市部での煤煙による環境問題、機関車の老朽化、動力費・人件費の増加などが問題になっていました。
動力近代化計画※1 の一環として、また入換用に適切な出力を備えたディーゼル機関車として、1958年(昭和33年)から製造されました。
600番台は1966年から翌年にかけて51両が製造されました。
道内では、この車両の他に「DD13 353」が三笠鉄道記念館に保存されています。
※1 動力近代化計画
エネルギー効率が低く燃料費がかさみ、大量の煙のため安全性や快適性に問題のある蒸気機関車を廃止・淘汰する(動力源の近代化)と共に、旅客車は原則として電車もしくは気動車に置き換える(動力方式の近代化)というもので、1960年(昭和35年)から実行されました。
DD16 17
軌道構造の弱いローカル線(簡易線)では軸重が12トンに制限され、DD13形(軸重14トン)やDE10(軸重14トン)形は入線できないか、入線できても速度制限を受けるため、蒸気機関車C12形(軸重10.9トン)やC56形(軸重10.61トン)が運用される結果となっていました。
蒸気機関車の置き換え用として簡易線向けに本車両が開発されることになり、1971年(昭和46年)から1975年(昭和50年)にかけて65両が製造されました。
道内では、この車両の他に「DD16 15」が三笠鉄道記念館に保存されています。
キロ26 107
日本国有鉄道(国鉄)が1961年(昭和36年)から北海道向けに設計・製造した急行形気動車(ディーゼル動車)です。
座席1列毎に独立した1段上昇窓が1枚ずつ並び、リクライニングシートで、定員が52人でした。床はリノリウム張りでした。
道内では、この車両の他に「キロ26 104」が三笠鉄道記念館に保存されています。
キハ27 11
1番から56番までは、1961年(昭和36年)から1962年(昭和37年)にかけて製造され、4両がJR北海道に継承されました。
道内では、この車両の他に「キハ27 23」が三笠鉄道記念館に、「キハ27 36」が北見市(個人所有)に、「キハ27 53・106」が樺戸郡月形町に、「キハ27 109」が紋別郡西興部村旧上興部駅に、「キハ27 113」が北見市常呂町「自然体験村虫夢ところ昆虫の家」に保存されています。
※ ウィキペディアフリー百科事典「小樽市総合博物館 」、「緩急車」、「国鉄DD13形ディーゼル機関車」、「DD16形ディーゼル機関車」、「国鉄キハ56系気動車」、「動力近代化計画」、「雪かき車」を参考にさせて頂きました。
ご訪問頂きありがとうございました。
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