『小樽散歩』-小樽市総合博物館・本館-
こんにちは、ご訪問頂きありがとうございます。
今回は、「小樽市総合博物館・本館 」(小樽市手宮1丁目)を紹介します。
小樽市総合博物館は、「旧小樽市交通記念館」に「小樽博物館」と「小樽市青少年科学技術館」を統合し、平成19年に開館しました。
また、小樽市総合博物館には「本館」(小樽市手宮1丁目)と「運河館」(小樽市色内2丁目)があります。
小樽総合博物館「本館」(小樽市手宮1丁目)は道道454号線沿いで、小樽水族館や小樽市鰊御殿へ向かう途中にある「手宮洞窟保存館」の道路を挟んで向かい側にあります。
ジョセフ・U・クロフォード之像(上の画像:中野五一作)
構内に入りますと、この「ジョセフ・U・クロフォード之像」が出迎えてくれます。
ジョセフ・U・クロフォード氏は、アメリカ生まれの土木技師だそうです。
北海道の鉄道開発に携わり、鉄道敷設の技師長として活躍しました。
鉄道建築兼土木顧問となった彼は、札幌・小樽間の鉄道建設を提唱し、1880年(明治13年)北海道最初の鉄道・幌内鉄道を完成させました。
※幌内鉄道・・・北海道開拓使が運営した官営の鉄道事業者。手宮線(1985年廃止)、函館本線・南小樽駅~岩見沢駅間、幌内線(1987年廃止)等を建設した。
館内に入りますと、今度は昔懐かしい自動車「スバル360」が出迎えてくれました。
とは言っても私自身はこの車に乗った経験はありません。
ホンダの軽自動車「N360」(一時期父が所有)や「ライフ」(学生の時に中古で買った最初の愛車)には縁がありましたが…。
でも、テレビドラマでの印象は強烈に残っています。
水谷豊主演の刑事ドラマ「熱中時代-刑事編―」でのスバル360です。
当時でもめったに見なかった前開きの2ドアで、コンパクトな車体なのに4人乗りです。
※ 上の画像:「スバル360 K111型」などは表示されている説明書より
さらにおもしろいと思ったのは、リアエンジン・後輪駆動というシステム。そして、「トランクルームにエンジン」が、「ボンネット内に荷物」を積むというのが大へんユニークに感じました。
あの頃は他にも魅力的な車がいっぱいで、「ぜひとも買って乗りたい!」とは思いませんでした(近くの中古車店にあったら買っていたかも…)。
さっそく窓口でチケットを購入(一般400円で隣の施設「手宮洞窟保存館」にも入館できます!)して中へ入りました。
ふと天井を見上げると、車輪の形をした窓を発見しました。
中に入ると、ドーンと蒸気機関車「しずか号」がお出迎え。
しずか号は、1884年(明治17年)アメリカ製で幌内鉄道のために輸入されました。
1等客車「い1号」と共に展示されています。嬉しいことに、機関車の運転席内や客車の内に入って見学することができます。
特に特徴的でぱっと見目につくのは「しずか号」の大きな煙突と最先端にある大きな柵の様なものです。これはこの時代の特徴だそうです。
煙突は「ダイヤモンドスタック」といって「火の粉止め」、大きな柵は「カウキャッチャー」という「牛よけ」だそうです。
※ 上の画像は、運転席内の様子です。
さすがカウボーイの国・アメリカです。替わって北海道ならさしずめ「鹿よけ・熊よけ」ってところでしょうか。
運転席は大変きれいで、当時のままに保存されているようです。石炭と水を入れてやれば今にも動き出しそうな感じです。
※上の画像は「炭水車(テンダー)」の内側の様子です。
「しずか号」正式には「7100形蒸気機関車」といい、日本国有鉄道の前身・鉄道院、鉄道省に在籍した「テンダー式蒸気機関車」です。
テンダー式蒸気機関車というのは、機関車に炭水車(テンダーとも呼ばれ、ボイラーに入れる石炭・水を積載した燃料運搬車両)が接続された形の機関車です。
炭水車を持たずに機関車本体に炭庫や水槽を装備する機関車を「タンク機関車」というそうです。
※ 上の画像は、1等客車「い1号」です。
機関車の後ろに接続されているのが『1等客車「い1号」』です。北海道ですから冬はストーブが必須です。これは「石炭ストーブ」でしょうか?
私が子供の頃(中学生位まで)までは石炭ストーブが一般的な暖房器具だったと思います(お金に余裕のある家庭は既に石油ストーブだったかもしれませんが)。
別棟の物置小屋にある炭庫から石炭を持ってきたり、燃えてできた灰を外に捨てに行ったりするのが毎日の日課でした。
石炭に火を点けるのに「ある種のコツ」がいりました。慣れれば何てことはないのですが…。夏のキャンプ等で木炭に火を点けるのと同じ要領です。
真冬は就寝前に石炭を一杯入れて、空気取入口をほんの少しだけ開けて、一晩中燃やしっぱなしにしておいたものです。
※ 上の画像右:「開拓使号」は表示されている説明書より
すると、朝まで火は消えず翌朝新たに火を点けなくてもよくほんのり暖かいのです。
それに比べると、今の石油ストーブは天国です、「タイマーをかけて、ハイ!終わり」ですから。
早いものでもう半世紀近く昔のことになりますが、昨日のことのように思い出されます。
※上の画像は「転車台」です。蒸気機関車などの車両の方向を変えるための機械です。
※ 上の画像右:「北海道の軽便鉄道」は表示されている説明書より
「時は過ぎてみれば、あっ!という間」、これって本当です、つくづく思います。若い皆さん!悔いのない毎日を過ごしてください。(もちろん私も含めてですが…。)
ここ小樽総合博物館は以前「小樽交通記念館」でしたので、鉄道車両を初めとして昔懐かしい自動車の数々も展示されています。
※ 上の画像:「蒸気機関車のしくみ」などは表示されている説明書より
館内には「しずか号」が展示されていますが、鉄道車両の多くは屋外に所狭しと展示されています。
鉄道車両の展示の様子につきましては、次回で紹介していく予定です。
また、小樽総合博物館は「小樽市青少年科学技術館」(2006年12月閉館)とも統合された施設です。
本館内には体験を通して学べる科学展示室やデジタルプラネタリウム等もあります。また、土・日・祝日には実験や工作ができる「チャレンジラボ」も行われているそうです。
今回は時間に余裕がなかったので、好きなプラネタリウムも残念ながら見ることができませんでした。
小・中・高校等は、これから春休みに入ります。お子さんと一緒に小樽総合博物館へ行って1日楽しく過ごしてみてはいかがでしょうか。
※ ウィキペディアフリー百科事典「 小樽総合博物館」、「幌内鉄道」、「小樽市ホームページ・小樽総合博物館」等を参考にさせて頂きました。
ご訪問頂きありがとうございました。
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