『道央の旅Ⅰ』-静狩湿原-
こんにちは、ご訪問頂きありがとうございます。
今回は、「静狩湿原」を訪ねた時の様子を紹介します。
前回紹介した「静狩鳴き砂海岸」を後にして、夕暮れ時までまだ間がありそうなので、次に「静狩湿原」を訪ねてみることにしました。事前に調べた情報によると、鳴き砂海岸からそんなに遠くない所にあることは分かっていました。
手持ちの道路地図には出てなく、事前に調べた資料がたより。線路の北側で大まかな位置しか分かりません。線路の南側を走る国道にいる私、JRの線路を挟み、その向こう側に「静狩湿原」はあるはず。
ぐずぐずしていると陽が暮れます。何とか明るいうち着きたいと目の前の線路を越す「踏切」を探しました。静狩峠へ向かう途中の左急カーブに跨線橋がありますが、位置的に東へ行き過ぎのような気がします。
行ったり来たりして、やっと踏切を見つけました。渡ると今度は十字路交差点です。道標はありません。
さて、左?右?それとも直進? 迷いましたが、位置的に左かな?私の動物的な感により西の方へ数百メートル走り、やっと「静狩湿原」の道標を見つけました。
車同士がギリですれ違える程の狭い田舎道を行くと、3~4台が駐車できる位の空地。そこに案内板や簡単な説明が書いてある看板等がありました。一見、どこにでもあるような野原という感じです。
「ハプニング・その1」
湿原なので用意してきた長靴に履き替え、さっそく湿原へ入りました。数歩足を踏み入れた瞬間、ドブのようなぬかるみに右足がスッポリはまってしまいました。草木の陰で気づきませんでした。
結構深く長靴は水没、直ぐに水と泥が入り込みました。右足を取られた拍子に体は前のめりに倒れ、左手を地面についてしまいました。幸い右手にカメラを持っていたので難を逃れました。
勢い勇んで行った結果がこれ、油断していました! してやられました! こんな所にぬかるみがあるなんて予想だにしてませんでした…、私の完敗です。静狩湿原…恐るべし…。
我ながら呆れつつ靴から足を引出し、重くなった靴を抜いて、みじめな気持ちで車へ戻りました。幸いキャンプ用に水入りのタンクを積んでいたので、それで足と靴を洗うことができました。
さらに「ハプニング・その2」
災難の最中にパトカーが、それもクラウン・クラスのでっかいのが駐車場の入口までやって来ていたのです。
察するところ、私がこの湿原を探し車でウロチョロしているのを見て、「不審車(者)! うーん、怪しい奴!」とでも思って様子を見に来たのかもしれません。
「あっ、やばい!…」、「職務質問…」、「何て応えれば…、けっして怪しい者ではありません…」、そんな思いが頭の中を駆け巡りました。
「やましいことは1ミクロンもないんだから!」と、平静を装いながら、私は長靴の上で足に水をかけながら洗っていました。
目を向けた時に車中のお巡りさんと目が合ったような気がして、なぜか会釈までしちゃったような…、これって一種の防衛本能みたいなものかもしれません。私は一人、向こうは二人…。
そしたら、「私は善良なる市民です」との気持ちが通じたようです。狭い道で苦労しながら大きな車の方向転換を始め出し、やがて何事もなく来た道をパトカーは戻って行きました。
「静狩湿原」は、長万部(おしゃまんべ)町から国道37・230号線(重複区間)を室蘭方面へ約10㎞程の所(JR室蘭本線の北側)にあります。北海道で最南端の高層湿原といわれ、ミズゴケ、ミズバショウ、ワタスゲ等が見られます。
尚、詳しくは「長万部町のホームページ」をご覧ください。
私がこの湿原に興味を引かれたのは、食虫植物の「モウセンゴケ」が自生していることを知ったからです。「虫を食べる植物」の「ハエトリソウ」をホームセンターで見つけ買ってきた経験もあります。でも、うまく育てられずに枯れてしまいました。
静狩湿原の湿地帯は、1922年(大正22年)に国の天然記念物保有地に指定されましたが、なぜか昭和26年に天然記念物指定が解除されてしまったようです。
前述のように国道沿いには、「静狩湿原」への案内板等はないようです。もし、興味をもたれ訪れてみようとお考えの方は、「踏切」を目安にされたら良いかと思います。けっこう交通量の多い道路ですので、ご注意ください。
また、現地に着きましたら慎重に、くれぐれも足元には十分気をつけて見学されてください(老婆心ながら、付け加えさせて頂きます)。
ご訪問頂きありがとうございました。