『根室本線駅巡り』-旧花咲駅-
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去る11月18日、JR北海道・島田社長が記者会見で、「維持困難路線の事業の見直し」を表明しました。具体的には、「JRが単独で維持困難な10路線13区間の抜本的な見直しを進める」というものです。
JR北海道全営業区間のおよそ半分に当たる10路線13区間が「維持困難」であり、「バスへの転換」や「上下分離方式(自治体が施設面を保有・維持し、JRが列車の運行を行うもの)等の運営費用の負担」について検討を始めたい、という趣旨の会見でありました。
そのキーワードは、「輸送密度」。かつて「国鉄分割民営化」が進められていた頃は、「輸送密度4000人/日」が公共事業として維持するための基準とされていました。ところが現在、北海道の路線の3/4はその基準以下であり、今回の会見では「輸送密度500人未満の線区を廃止する方針」としています。
地方の人口減少や高齢化、自家用車の普及等による利用客の減少でJRの赤字路線が増えているのもうなづけます。私は昨年から北海道中の駅巡りをしていますが、「周辺には民家がほとんどない」という無人駅もけっこう目にしました。
けれども、駅舎のベンチの片隅に駅ノートが置かれていたり、花やマスコット、本等が置かれていたり、昔の駅舎や列車の写真が掲げられていたりと、地域のコミュニティの場、アットホームで温もりを感じる小さな駅舎にもたくさん出会えました。
赤字は補填あるいは解消しなければ、会社はつぶれてしまいます。自治体にしろ国にしろ補填するには税金が使われます。また「運賃の値上げ」、賃上げがなかなか進まない地方の暮らしには厳しいものがあります。「できるだけ多くの路線や駅が残ってほしい」と望んでいる私としては、悩ましい限りです。
さて、本題に戻ります。今回は前回に続き、3月の末に廃止となった「花咲駅」(☚クリックすると、前回のページが表示されます)のその後の様子です。5月中旬、春真っ盛りの道東へ金曜日の夕方に出発し2泊3日の旅をしてきました。少々忙しなかったのですが、旧花咲駅まで足を伸ばしながらあちこち見て周ってきました。
その時はまだ貨車駅舎は残っていました。でも、駅標は取り外され、施錠された駅舎内は空っぽで、殺風景な室内には一抹の寂しさだけが漂っているように見えました。ホーム側の駅舎の片隅に「ありがとう、花咲駅」と書かれた小さなプレートを見つけました。「感無量」でした。
「その貨車駅舎も夏に撤去された」という情報もあります。阿寒湖や摩周湖周辺には何度か足を運んだのですが、さすがに「花咲」は遠く行けませんでした。地域住民の方に長年愛され続けてきた「駅」には、単なる「駅」以上のものを感じてしまいます(歳のせいなのかな…)。
西和田駅 👈 本 駅 👉 東根室駅 (クリックすると、その駅が表示されます)
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