『道央の旅Ⅰ』-積丹岬・女郎子岩-
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今回は、積丹岬にある「女郎子岩(じょろっこいわ)」を紹介します。
前回紹介しました「島武意海岸トンネル」へ行く手前に、右へ行く分れ道と「積丹岬入口」の看板があります。道なりに行くと、やがて道標があり「女郎子岩 1.9㎞」(「積丹出岬灯台」も同じ方角)の指示通りに進みます。
舗装された緩急ある坂道を上っていくと、やがて前方に灯台の頭が見えてきます。後ろを振り返ると、海の向こうに「神威岬」辺りでしょうか、突端の方まで見えました。
「積丹出岬(しゃこたんでさき)灯台」の手前に「灯台広場」があり、日本海を見渡せる「展望台」となっています。そこに「積丹岬自然遊歩道案内板」があり、それで「女郎子岩」までの道(この道を「シララの小道」というのだそうです)を確認しました。さっきの道標によると、女郎子岩まで残り1.6㎞程あるようです。
「積丹出岬灯台」です。高さ13m程しかない小さめの灯台という印象ですが、この場所が標高約130mあるので見晴らしはよく、「石狩湾」や「暑寒別岳」等も見えるそうです。その日は晴れていてまずまずの天気でしたが、遠くの方は雲が多くてよく見えませんでした。
7月上旬でしたが、ウグイスが頻繁に鳴いていました。大きな鳴き声が近くでしたので辺りを見回し声の主を探してみると、10m程離れた梢の先で鳴いている「主」を見つけました。
「声はすれど姿は見えず」が常で、こんなことはめったにありません。「千載一遇のチャンス!」とばかりに急ぎ!そっとカメラを向けました。すると、そこの眺めがよほど気に入ったのか?けっこう長い時間鳴き続けてくれました。
「幸福な時間は長くは続かないもの」これも世の常、鳥は飛び立ってしまいました。姿は見えないものの相変わらずどこからともなく、鳴き声だけはひっきりなしに聞こえてきます。「彼?彼女?は、いずこへ?」しばらく姿を探してみましたが…諦めてまた歩き出しました。
ほとんどは藪の中、という小道。けもの道? 草を踏みつけただけのような道? が、しばらく続きます。たまに海岸に出ると、「崖っ!」だったり。思わず「下っ腹に〇〇玉が引っ込む」感じに襲われました(失礼しました!ごめんなさい)。
「滑落したら、二度と戻ってこられない!」それ以前に「命がないかも…」とか、一瞬の恐怖とともに脳裏を駆け巡ります、そんな妄想が。それにしても、海の「積丹ブルー」は健在でした。これが、「冬の鉛色の海」と同じ海とは信じられない気がしました。
「着きました! 女郎子岩。」「おぉっ!これが女郎子岩。」 姿、形、雰囲気は、以前見た「JIN- 仁-」(ちょっと古いですか?)の「花魁(おいらん)」の姿を思い起こさせるよう。「華やかで大きな帯」が前、長く引きずる「着物の裾」が後ろ、そんな姿が…。
自然の営みの中で、このような「造形物」が造られるというのは、「科学の範疇(はんちゅう)」を超えて、何か「情念」とか「神懸り」的な世界を感じませんか? 私は、何か、そんな感じがしました。「いくら長年の風・雪・雨・波・雷…の力をもってしても、こんな偶然は有り得ない!」とは思いませんか?
掲示板『シララ姫の化身「女郎子岩」』(上の画像)より
「北へ向かう義経主従は途中大シケに遭い、やっとの思いで入舸へたどりついた。傷ついた義経は酋長の娘「シララ姫」の看病により傷もいえ、互いに恋想う仲となったが、義経は再び舟出しなければならなかった。
涙にぬれ声をからし義経の後を追うシララ姫であったが、その想いはかなわず大波にのみこまれてしまった。その直後に現れた岩をだれもがシララ姫の化身と信じた。
だれ言うともなく「女郎子岩」と呼ばれるようになり、今も義経を恋慕うかのよう立っている。」
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