『登山日記・横津岳~袴腰岳縦走』-烏帽子岳山頂-

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烏帽子岳 こんにちは、ご訪問頂きありがとうございます。

 今回は、「烏帽子岳山頂(えぼしだけさんちょう)」までの様子を紹介します。

               (訪問日:2022(令和4)年5月中旬)

 前回では、標高1167mの横津岳山頂に辿り着けました。

 横津岳山頂標識は、航空路監視レーダー施設の裏側(北側)にあることを調べて分かっていましたので、一通りレーダーを眺めた後、早速その建物の裏手に回りました。

 因みに、この航空路監視レーダーは北海道の高密度空域の大部分と東北北部の国内ルートとヨーロッパ北回りルートの日本海側出入口を監視する役割を持っていて、道内にはここ横津岳と釧路の二ケ所にあるそうです。

対空受信所へ 対空受信所へ

↑ 対空受信所へ向かいました

対空受信所へ 対空受信所へ

↑ 途中で振り返ると、航空路監視レーダー(北側からの様子)と無線中継所

 管制官が飛行中の航空機の位置や高度を把握する航空管制システムのセンサーの一つです。

 私は飛行機に何度か乗って道外へ旅行に行きましたが、その度にこのレーダーのお世話になっていたことが分かりました。

 また、調べていく中で昔のこの施設の写真も見ましたが、レーダーの下には保安の任に当たる人が生活するための居住棟もありました。

対空受信所 対空受信所

↑ 対空受信所の西側に展望の利く所があり、そこに「大沼国定公園の展望」標示板

対空受信所 対空受信所

   大沼国定公園の展望       (説明板より)

大沼国定公園
 大沼国定公園は、駒ヶ岳(標高1,131m)とその山麓に点在する大沼、小沼、蓴菜(じゅんさい)沼の大沼三湖に代表される湖沼群の地域で山と水の変化にとんだ景観を見せています。
大沼と道有林
 現在地は横津岳頂上付近にある道有林で、大沼に流入する河川の源流域に当たります。標高が高く厳しい自然環境にあり、一部が道立自然公園区域であることから、森林施業は行わず、自然の推移にゆだねることで森林の保全を図ることとしています。
        北海道渡島総合振興局東部森林室        』

 その頃のこのレーダー周辺の様子は分かりませんが、樹木が1本もない笹原が広がる吹きっさらしの地ですので、冬の間の生活は大へんだっただろうと思いました(現在は無人です)。

対空受信所からの眺望 

↑ 西側の眺望です、山並みの手前に大沼が、その手前に七飯町の街並みが広がっていました

対空受信所からの眺望 対空受信所からの眺望

↑ 北側の眺望です、大沼の一部とその奥に駒ヶ岳が見えていました

※ 以下の動画の中には風切音や機械音などの雑音が入っていますので、視聴に際しては音量に十分ご注意ください。

 監視レーダーの横に丸いアンテナが三つ縦に並んでいる施設もありました。

 帰宅してから検索して調べると、北海道開発局函館開発建設部の「横津無線中継所」ということでした。

 横津岳山頂標識周辺からの眺望に堪能し画像も撮り終えたので、航空路監視レーダーの北側に小さく見えている「対空受信所」というアンテナ施設へ行ってみることにしました。

対空受信所からの眺望 対空受信所からの眺望

↑ 駒ヶ岳の山頂部をズームしてみました(画像左)、さらに砂原岳(さはらだけ)をズーム(画像右)

対空受信所からの眺望 対空受信所からの眺望

↑ 駒ヶ岳の最高点がある剣ヶ峰(けんがみね:標高1131m)(画像左)、そのさらにズーム(画像右)

 保安員の方が乗って来たと思われる車が一台アンテナ施設の前に停車していました。

 国土交通省東京航空局の無線施設の「横津岳RCAG(遠隔対空通信施設)」には「対空送信所と対空受信所」があり、このアンテナはその一つで「対空受信所」だそうです。

対空受信所からの眺望 対空受信所からの眺望

↑ 駒ヶ岳の麓に広がる大沼・小沼と大沼公園

対空受信所からの眺望 対空受信所からの眺望

↑ 大沼・小沼をさらにズームしてみました、その中には小さな島がいくつも浮かんでいました

 では、「対空送信所」はどこに?それはずっと離れた横津神社のすぐ南側にあるアンテナ施設がそ対空送信所だそうです。

 どちらも「遠隔」ということで、ヘッドセットを付けた管制官は札幌ACC(札幌航空交通管制部・札幌管制区管制所)にいて遠隔操作しているということだそうです(難しくて私には難解なので質問は無しでお願いします)。

対空受信所からの眺望 対空受信所からの眺望

↑ 七飯町の様子をズーム(画像左)、南の方角の眺望で津軽海峡と函館山が霞んで見えていました(画像右)

対空受信所からの眺望 対空受信所からの眺望

↑ 霞んでいますが函館山をズーム(画像左)、函館湾の奥にある葛登支岬(かつとしみさき)にある当別丸山(画像右)

 対空受信所からの眺望もとても素晴らしく、私が登山を始めた最初の頃に登った「駒ヶ岳」(横津岳とあまり変わらない標高の1131m)が近くに大きく見えていました。

 さらに、眼下には大沼国定公園の大沼と小沼が広がり、その南側には七飯町の街並みや田畑がパノラマのように見えていました。

対空受信所からの眺望 対空受信所からの眺望

↑ 対空受信所の左手にある展望所から函館上面(画像左)、西側の眺望と標示板(画像右)

対空受信所からレーダーサイトの眺望 対空受信所からレーダーサイト

↑ 横津岳山頂に建つ航空路監視レーダーと無線中継所

 この辺りも背の高い樹木はなく吹きっさらしの山の上でしたので風が強く動画を見ると風の音が大きく入っていますが、天気が良く日差しもありましたので寒さは感じませんでした。

   それでもあまりのんびり眺めてもいられませんので、次の目的地「烏帽子岳」に向かうのにいったん航空路監視レーダーへ戻りました。

対空送信所へ 対空送信所へ

↑ 前出の対空受信所の相棒?の対空送信所が見えてきました

対空送信所から 対空送信所から

↑ 対空送信所手前で右へ曲がり横津岳無線中継所へむかいました

 きれいに舗装してある道路を歩いてレーダーサイト、横津神社を通過し「対空送信所」へと向かいました。

 道は緩やかな上り坂になっていて、その送信所前にある分岐から右に進んで今度は丸いアンテナがたくさん付いている「無線中継所」へ向かいました。

袴腰岳登山口へ 袴腰岳登山口へ

 横津岳無線中継所の手前でまた右へ折れて登山口のある気象レーダーへ向かいました

袴腰岳登山口へ 袴腰岳登山口へ

 気象レーダーへ向かう道をキタキツネも歩いていました、行き先は同じかな?

 無線中継所の手前数mほどの所にある分岐からまた右に向かい、次は縦に細長い施設の天辺に球形のレーダーが載っている「気象レーダー」へ向かいました。

 緩やかな下り坂を横津岳無線中継所へ歩いていると、笹原の中からキタキツネが不意に出てきたので急いでコンデジ始動し撮りました。

袴腰岳登山口へ 袴腰岳登山口へ

↑ 結構な距離がありましたのでキタキツネは私に気づいてないようでしたが、左の草の中に消えて行きました(ずっと期待していたのですが、振り向いてくれなかったのが残念でした)

袴腰岳登山口へ 袴腰岳登山口へ

↑ 登山口のある気象レーダーに近づいて行きました、レーダー施設横に登山口案内板がありました

 かなり距離がありましたので、こちらには気づかないまま無線中継所の方へしばらく歩いて行きました。

 「途中で立ち止まりこっちを向いて顔を見せてくれないかな」と思って期待していたのですが、最後までお尻を向けたまま道端の笹の中に消えて行ってしまいました。

レーダー横登山口 レーダー横登山口

『   恵山道立自然公園・横津岳地区       (説明板より)
 市別岳(標高1,167m)から袴腰岳(標高1,108m)周辺の道有林1,640haは、平成19年5月18日付けで恵山道立自然公園の横津岳地区として指定されました。同地区は溶岩台地の平坦な稜線が広がり、ハイマツやシラタマノキ、ハクサンチドリなどの多くの高山植物が群生し、小規模な湿原にはワタスゲ、ノハナショウブなどの湿原植生が見られ、袴腰岳南麓のアヤメ湿原は本道最南端の高層湿原として貴重な自然環境を有しています。
          北海道渡島総合振興局東部森林室       』

レーダー横登山口付近 レーダー横登山口付近

↑ 登山口にあった道標、先ほど傍を通って来た無線中継所も小さく見えていました

 次に、無線中継所の手前で道を左に折れて縦にスマートな形をしている気象レーダーへ向かいました。

 今度は緩やかな上り坂を歩いて行くと、道端に道標があって、そこで振り返ってみると、先ほどの無線中継所が小さく見えていました。

 気象レーダーに着くと、その横にある標示板に書いてある様に「レーダー横登山口」がありました。

烏帽子岳へ 烏帽子岳へ

↑ 広い舗装道路から狭い登山道へと入って行きました

烏帽子岳へ 烏帽子岳へ

↑ 禁止のスノーモービルの侵入がよほどあるのでしょうか?あちらこちらに「禁止」の標示板がありました。

烏帽子岳へ 烏帽子岳へ

↑ 厳しい風雪に耐えかねて朽ちてしまったようです「レーダー横登山口」標示板

烏帽子岳へ 烏帽子岳へ

↑ 冬季間はこの辺りは広々とした雪原が広がっているのでしょう、スノーモービルを走らせるにはもってこうなのでしょうけれど、「スノーモービルは禁止」の標示板、環境破壊につながるからでしょう

 レーダー横登山口からは舗装された道路は終わり、笹原の中に入って行く細い登山道が続いていました。

 そこからは見渡す限りの笹原が広がっていて、背の高い樹木はその中にポツンポツンとあるくらいでした。

烏帽子岳へ 烏帽子岳へ

↑ 見渡す限りの草原です、よほど風が強いのでしょうか…?

烏帽子岳へ 烏帽子岳へ

『   前沼湿原(第1湿原)

 横津岳・袴腰岳周辺の高層湿原
 横津岳・袴腰岳周辺の高層湿原は、現在地の前沼湿原(第1湿原)を含めて、次の4箇所が知られています。
「高層湿原」とは、泥炭が多量に蓄積されて周囲よりも高くなったために地下水で涵養されず、雨水のみで維持されている貧栄養な湿原を指す。植生はミズゴケ類が主体。(EICネット環境用語集)
          北海道渡島総合振興局東部森林室       』

烏帽子岳へ第1湿原 烏帽子岳へ第1湿原

烏帽子岳へ第1湿原 烏帽子岳へ第1湿原から

↑ 背の高い樹木がない笹原の中の道を歩いて行くと、前沼湿原(第1湿原)とその案内板がありました、振り返ると一番手前に気象レーダー、その後ろ奥に航空路監視レーダー、左側に対空送信所、無線中継所が見えていました

 少し進んで行くと、左手の奥の方に茶色っぽい色の広場が広がっている所に出ました。

 標示板も立っていて、「前沼湿原(第1湿原)」と書いてありました。

 「湿原とありましたので、横津神社の傍にあったような沼があるのかな?」と思い、さらに奥の方の様子を窺ってみましたがあるのかないのか分かりませんでした。

烏帽子岳へ 烏帽子岳へ

↑「登山口まで900m」ということは…、登山口から900m歩いて来ました!

烏帽子岳へ 烏帽子岳へ

↑ 視線の先に見えてきた横長の丘のように見える所が「烏帽子岳」、その奥のピークが「袴腰岳」です(画像右)

 振り向いてみると、先ほどから通り過ぎてきた気象レーダーや中継アンテナ類が遠くに小さくなって見えていました。

 歩いていてよく目に着いたのが「スノーモービル禁止」の注意看板でした。

 この辺りは吹きっさらしで遮るものがほとんどなく夏でも風が強く冬にはさらに強いことが想像できます。

烏帽子岳へ 烏帽子岳へ

↑ 遠くに見えているのが烏帽子岳、「岳」というより小高い「丘」という感じです…

烏帽子岳へ 烏帽子岳へ

↑ ここにも「スノーモー%9>3は禁止」の標示板、規則は守りましょう!

雪は降っても風で雪が飛ばされたり、吹き溜まりができたり、スキー場のように厚く雪が積もり難いのではないかと思いました。

 そこをスノーモービルで走り回ったりすると、湿原や植生が痛むだろうことも容易に想像でき、だからしつこい程に禁止看板があるのでしょう。

烏帽子岳へ 烏帽子岳へ第2湿原

↑ 烏帽子沼湿原の手前にある「烏帽子沼湿原(第2湿原)」とその案内板

烏帽子岳へ第2湿原 烏帽子岳へ第2湿原

↑ こじんまりとした沼の烏帽子沼湿原(第2湿原)

 道を歩いていると、所々で視線の先に目指している烏帽子岳と思われる小高い丘のようなピークが見えるようになりました。

 さらに歩いていると、今度は「烏帽子沼湿原(第2湿原)」と書かれた標示板がありました。

※ 以下の動画の中には風切音や機械音などの雑音が入っていますので、視聴に際しては音量に十分ご注意ください。

 

烏帽子岳へ 烏帽子岳へ第2湿原

↑ 烏帽子沼湿原を通り過ぎて振り返ってみました

烏帽子岳へ第2湿原 烏帽子岳へ第2湿原

↑ 「登山口まで1800m」先ほどの標示板からさらに900m歩きました、この辺りは緩やかな上り下りの道なので2㎞弱歩いてもちっとも苦になりませんでした

 この烏帽子沼湿原では、横津神社近くの雲井沼よりもかなり小ぶりですが湿原の中に沼があるのが見えました。

 レーダー横の登山口から約2㎞近くの距離を歩いてきましたが、烏帽子岳への道標を見つけました。

烏帽子岳へ第2湿原 烏帽子岳へ

↑ 道標、「直に袴腰岳への道」、「烏帽子岳経由の袴腰岳への道」、「横津岳への帰り道」の三叉路です

烏帽子岳へ第2湿原 烏帽子岳へ第2湿原

↑ 樹木はほとんどなく緩やかな高低がある笹原の中の道をのんびりと歩いていきました、振り返ってみるとアンテナ・レーダー群が丘の上に小さく見えてインした(画像左)、視線の先のピークの上に何やら標示板らしき物が見えていました

 烏帽子岳をパスして袴腰岳へ真っ直ぐ向かう道にも分かれていましたが、私は「三座登頂!」を目指していましたので迷わず烏帽子岳へ向かいました。

 遠くから見ていたら小高い丘ぐらいのピークだと思っていましたが、その手前まで来るとそこそこの上り坂でした。

烏帽子岳へ 烏帽子沼湿原

↑ さらに進んだ所から振り返ってみると、さらに小さくなって見えるアンテナ群と、右手の方に駒ヶ岳も見えていました(画像左)、烏帽子岳山頂に向けて小高い丘への上り坂です、先ほどの烏帽子沼(第2湿原)が下方に見えていました(画像右)

烏帽子岳へ 烏帽子岳へ

↑ 先ほどピークの上に小さく見えていた標示板がハッキリと見えてきました

 急登というほどではなかったので息切らせることもなく余裕で山頂目指して登って行きました。

 坂道の途中で下方を振り返ってみると、先ほどの烏帽子沼が原っぱの中にポツンと浮かんでいました。

烏帽子岳 烏帽子岳

烏帽子岳 烏帽子岳からの眺望

↑ 烏帽子岳山頂に着きました、山頂標識(標高1079m)(画像左)南方面には函館市街地と函館山(画像右)

※ 以下の動画の中には風切音や機械音などの雑音が入っていますので、視聴に際しては音量に十分ご注意ください。

 ついにこの日二座目の山、標高1079mの「烏帽子岳」山頂に着きました。

 ここまではこれまで経験してきた登山と違ってまるでハイキングのような本当に余裕余裕で楽しみながらここまで山を登って来れました。

 「小高い丘のようなピーク」と私は思っていましたが、その山頂に登ってみると隣りの山・袴腰岳の陰になっている方向の景色は見られませんでしたが、それ以外の眺望はすばらしかったです。

烏帽子岳からの眺望 烏帽子岳からの眺望

↑ 烏帽子岳山頂からの眺望、函館市街地と函館湾、函館山が霞んで見えていました(ズーム)

烏帽子岳からの眺望 烏帽子岳からの眺望

↑ 函館市街地の手前にダム(新中野ダム)とダム湖(なかの湖)が見えていました(ズーム)

 南側に見える函館方面の景色は良く見えていましたし、函館市街地の手前の山中には思いがけず「ダム」も発見しました。

 「何ダム?…」と思って地図を調べてみたら、位置的に考えると「新中野ダム」ではないかと思いました。

 山頂から直ぐ隣りに見えている三座目の「袴腰岳」を私は眺めながら、「次の袴腰岳は、横津岳・烏帽子岳二座に比べて手ごわいかもしれない…」と感じていました。

※ ウィキペディアフリー百科事典「横津岳」・「袴腰岳」・「ばんだい号墜落事故」・「駒ヶ岳」、国土交通省航空局サイト「SSRモードSシステムの概要及び運用状況」・「対空通信施設」・「航空管制業務について」を参考にさせて頂きました。

 ご訪問頂きありがとうございました。

 

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