『道南の旅』-元町配水場-
こんにちは、ご訪問頂きありがとうございます。
今回は、「元町配水場」(函館市元町1-4)を紹介します。
(訪問日:2019年(令和元年)7月下旬)
前回では、「石川啄木一族の墓」から「薬師山砲台跡」へ進み函館要塞の遺構を見学した後、旧登山道入り口まで下りて行きました。
函館山に残っている全ての遺構を見学できた訳ではありませんでしたが主だったものは見て回れたので、その日の見学活動の出発点「函館山ロープウェイ麓駅」へ戻りました。
函館山ロープウェイ麓駅の近くに明治時代の頃の物と思われる建築物と噴水などがある公園がありましたので見学してみることにしました。
その入り口には「元町配水場」と書かれた標示板がありました。
元町配水場は函館山山麓にある配水場で、日本国内で二番目の近代的浄水道の敷設と同時に建設されました。
日本人(平井晴二郎氏)が設計した日本最古の配水池です。
函館山には川がないので住民生活に必要な水は、井戸を掘るしかありませんでした。
幕末の人口増加に伴い1859(安政6)年に亀田川から分岐させた願乗寺川が掘削されましたが汚水が流入するなど水質が悪いため1888(明治21)年に新川が建設され廃止されました。
亀田川上流に取水口が設けられ配水管を函館山山麓まで引き配水池(中区配水池:コンクリート造容量4,386㎥)に一旦貯め市街地に水を送りました。
その後人口や出入船舶の増加により水需要がさらに増加したため先の配水池よりも高い所に第二配水池(高区配水池:容量2,900㎥)が建設されました。
1985(昭和60)年に近代水道百選、2001(平成13)年に選奨土木遺産、2008(平成20)年に近代化産業遺跡群に選定されました。
また、創設以来使用されている管理事務所が函館市の景観形成指定建築物に指定されています。
元町配水池敷地内には噴水や展望広場が整備され1989(平成元)年から水道創設100周年を記念して市民に一般開放されました。
展望広場には市街地や函館港を一望できる物見台やベンチなどが設置されています。
『 清 泉 滾 滾 (碑文より)
凾館の水道は、明治22年(1889)9月20日、日本で2番目の近代水道として、この配水池から通水を開始しました。上段の噴水塔は、これを記念して当時鋳鉄管を納入した東京のイリス商社から寄贈された噴水塔のレプリカです。
銘文の「清泉滾滾」は、通水式当日の凾館新聞に掲載された祝詞
も一節「幾多の財をなげうち幾多の心労を積み赤川の水流を導き来って当市を横流せしめ滾々たる清泉ここに噴出するを見るに至る」より引用したものです。
これからも函館の水道が、清水のようにこんこんとわき出て永遠に街を潤していくことを願い、平成元年(1989)函館水道創設100周年を記念してこの噴水池を建設しました。 』
※ 以下の動画には風切音や機械音などの雑音が入っていますので、視聴に際しては音量に十分ご注意ください。
桜の名所にもなっていて、高区配水池の完成時に植樹されたソメイヨシノのうち2本が現存していて、「百年桜」(幹の太さ4m、枝の幅20m)と呼ばれ市民に親しまれています。
※ 函館市公式観光サイトはこぶら「函館山ロープウェイ」・「元町配水場」、フリー百科事典ウィキペディ「元町配水場」、 函館市住宅都市施設公社サイト「元町配水場」を参考にさせて頂きました。
ご訪問頂きありがとうございました。
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