『登山日記・雄阿寒岳』-山頂直下から山頂へ-
こんにちは、ご訪問頂きありがとうございます。
今回は、「山頂直下から山頂へ」として、いよいよ山頂に立てた時の様子を紹介します。
(訪問日:2018年(平成30年)8月上旬)
前回では、阿寒岳測候所山頂観測所の跡がある8合目を出発し、9合目を目指しました。
9合目へは、左側に火口を見ながら外輪山を反時計回りに進んで行くのですが、少し進むと下り坂になり狭い道を下っていきました。
※ 以下の動画には風切音や機械音などの雑音が入っていますので、視聴に際しては音量にご注意ください。
その坂道の手前辺りからは谷(というほどでもないのですが…)越しに今度は上り坂が見えていました。
ここで「下る」ということは帰り道は「上り」ということで、「行きはよいよい帰りはこわい」だな…、何てことを思いながら下っていきました。
その坂道に繁っているハイマツなどの所々に数mほどの筋が走っていて、「多分そこが山頂へ続く登山道が通っている所なんだろう? けっこう急な坂道なんじゃないかい! こりゃ帰りはこわいだけじゃなく、行きもこわいこわいだ!!」
さらに視線を上げていき外輪山に沿って左の方へ移していくと、背の低い草木が繁っている中にゴツゴツとした岩肌が見えている一角がありそこが周囲よりも一段と高くなっていました。
※ 以下の動画には風切音や機械音などの雑音が入っていますので、視聴に際しては音量にご注意ください。
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見るからに「あそこがピーク、山頂では?!」と思わせる雰囲気ムンムンのところでした。
立ち止まりカメラを出してズームズームで見てみると、岩肌の見える中に標識のような物が立っているのが見えていたので「やっぱり、あそこが山頂だ!」と確信しました。
※ 以下の動画には風切音や機械音などの雑音が入っていますので、視聴に際しては音量にご注意ください。
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そうなるとそれまですごく重く感じながら進めていた足の運びが、「どこから湧いてくる?」と自分でも驚くほどガゼン元気が出てきました。
下り坂が終わり底に着いたかな?と思う辺りに「9合目の標識」を見つけました。
↑ 阿寒湖上で遊覧船とボートがよ~い・ドン! どっちもガンバレ! ハ~イ、やはりボートの勝ちですね!(右画像)
↑ さすがっ! 負けても遊覧船は動じません、己が道を進むのみです (ナンチャッテッ!)、この島は「マリモ展示観察センター」がある「チュウルイ島」です
思いがけず元気が出てきたところで「一気に山頂まで行こう」とも思ったのですが、「気持ちほどに体は動かず」の現実に引きもどされて、ここは無理をせずに水分補給と周囲の眺望を楽しみながら「一休み」しました。
山頂直下の9合目、9合目のあるこういう所を登山用語で「コル」というらしく、ピークとピークの間の標高が低くなった所で、「鞍部」ともいうらしいです。
↑ 阿寒湖に浮かぶ四つの島のうちの「小島(こじま)」(左画像)と「大島(おおしま)」(右画像)です
雄阿寒岳では、5合目は他の山でいう8合目(5合目の標示板にも「ここまで来たら8割クリア、…」と書かれてありました)と言われます。
その8合目をとっくに過ぎてここは「9合目」、9合目の標示板には何て書かれていたかと言いますと、「右側遠くに小さな小さなヒョウタン沼が見えるかな?」でした。
阿寒の「ひょうたん沼」、初めて聞くその名前に帰宅後早速パソコンで検索してみました。
※ 以下の動画には風切音や機械音などの雑音が入っていますので、視聴に際しては音量にご注意ください。
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ひょうたん沼は、雄阿寒岳の南東の麓にある周囲1.2㎞、水深1.5mほどの小さな沼で湿地と森に囲まれた自然豊かな沼です。
また、日本一早く結氷する湖として知られ阿寒の冬の観光振興の足掛かりになった場所でもあるそうです。
※ 因みに、雄阿寒岳の「〇合目」標示板に書かれている文を以下にまとめてみました。
1合目(2合目も同じ)・・・大きな自然を護るのは小さな一人のマナーから
3合目・・・登山道を外れないように注意してください
4合目・・・半分以上クリアしました。ここから5合目までがガマン所
5合目・・・ここまで来たら8割クリア、自然をゆっくり楽しもう
6合目・・・眼下はまりもの阿寒湖。自然を護るまあるい気持ちで歩こう
7合目・・・高山植物を踏まないよう心配りをお願いします
8合目・・・自然は未来への遺産、頂上まであと一息
9合目・・・右側遠くに小さな小さなヒョウタン沼が見えるかな
体力はついて行かないのに気持ちだけは「急く」という年寄りの困った性分にどっぷりとはまっている私は、休憩も早々に歩き出しました。
歩き始めると「雄阿寒岳が火山だ!」と言わんばかりに火山弾や火山灰を思わせる大小さまざまな岩石や軽石、砂など肌がむき出しの山吹色の道が所々に覗いているような道でした。
大きめの岩が重なり合って両手両足を使い這う様にして登って行く所もありました。
やがて目の前に大小重なり合うようにして見えていたの岩石が減り始め、代わりに岩の上に空が広がり見えるようになりました。
大きい岩石がゴロゴロと重なっている中に立っている「雄阿寒岳 標高1,371m」の山頂標示板が目に飛び込んできました。
ついに雄阿寒岳の山頂に立つことができました。
そこには、途中の登山道で追いつかれ追い抜かれた年配の方々4~5人のグループがおやつなどを食べながら楽しそうに談笑していました。
山頂からの眺望をあちこち動き回りながら楽しんでいると、私の耳に彼ら彼女らの話が聞くともなく聞こえてきました。
初めての登頂ではなくて、ずいぶん前にも1度ここに来たことがあるようで再び訪れて懐かしく思っている、というような話をされていたように覚えています。
私は登山を始めてまだ数年の初心者ですが、「山ガール、山男の皆さんなんだな~」、「道理で登山のベテラン的な雰囲気が漂っている訳だ…」と思いました。
天気の崩れが心配な空模様でしたが、雲の切れ目に青空も覗いているという感じで、雨などに遭わずに山頂まで来れたことに安心しました。
山頂からは阿寒雄の一部とパンケトー、ペンケトーを見ることができます。
阿寒横断道路(国道241号線)のある「双湖台」という展望台からペンケトーを見ることができますが、パンケトーはペンケトーの奥にあり周囲には山や森林などがあるためほんの一部しか見ることができません。
※ 以下の動画には風切音や機械音などの雑音が入っていますので、視聴に際しては音量にご注意ください。
パンケトーの全貌を見るには、ここ雄阿寒岳山頂に来るしかないようです。
山頂から見えるすばらしい風景を一通りカメラに収めることができたので、昼食に持ってきたおにぎりを食べ、飴玉をなめて糖分を補給しこれからの下山に備えました。
※ 以下の動画には風切音や機械音などの雑音が入っていますので、視聴に際しては音量にご注意ください。
先着していた方々がそうこうしている間に下山して行き、身支度を整えた私もそろそろ下山しようかと思いながら、立ち去り難い気持ちを振り切りながら山頂を出発しました。
歩き始めてふと9合目のコルを越えて目前に見えているピーク上に目をやると、少し前に下山して行ったさっきのグループの皆さんが歩いている姿が見えました。
※ 以下の動画には風切音や機械音などの雑音が入っていますので、視聴に際しては音量にご注意ください。
「えっ、あの9合目からの登り返しを登ってもうあんな所まで行ってるの?!」、「…さすがベテランの皆さんだ」と思ってしまいました。
昨日は雌阿寒岳へ登り、今日はこの雄阿寒岳に登るという初めての「登山のはしご」を無事に終えることができました。
※ 以下の動画には風切音や機械音などの雑音が入っていますので、視聴に際しては音量にご注意ください。
さらにこの次の日には、天気が良ければ「登山のはしご」の三座目に少し標高が低い「藻琴山」(標高1,000m)に挑戦してみようかと計画していました。
車中で聞いたラジオの天気予報によると、「これから道東方面の天気は下り坂になりそうだ」と伝えていました。
↑ 山頂標示板近くの石の上にクワガタを発見しました
※ 以下の動画には風切音や機械音などの雑音が入っていますので、視聴に際しては音量にご注意ください。
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実際次の日の天気は生憎の「曇りから雨」となり、念のため現地の登山口にも行きましたが山頂を覆う黒い雨雲としっかり雨が降り出したため断念しました。
「『早く帰って疲れた体を休めろ!』という天のお告げかな」と良い方に受け止め、雌阿寒岳・雄阿寒岳登山がまずまずの天気のなか登頂できたことに感謝しながら予定より早く帰宅することにしました。
↑ 山頂から火口の底を見下ろすと水が溜まっている所がありました(左画像)、山頂から東側にペンケトー、さらにその東に「阿寒横断道路」(その途中に「双湖台」と「双岳台」二つの展望台があります)が見えていました
↑ 雄阿寒岳山頂からは、阿寒湖の端の方しか見えません
※ 「双岳台」は、「双湖台」から約2㎞ほど弟子屈町寄りにある展望台で、好天に恵まれればその名の通り二つの山:雄阿寒岳と雄阿寒岳・阿寒富士(「阿寒の夫婦岳」と呼ばれています)」を一緒に眺めることができます。
尚、この「登山日記・雄阿寒岳」シリーズは今回で終了します、ありがとうございました。
↑ 雄阿寒岳山頂からのパンケトーです。
※ 以下の動画には風切音や機械音などの雑音が入っていますので、視聴に際しては音量にご注意ください。
↑ 雄阿寒岳山頂からのペンケトーです。
↑ 向こう側のピークに9合目コルからの登り返し(左画像)、向こうのピークの上を先に下山した皆さんが小さく見えていました(右画像)
※ ウィキペディアフリー百科事典「 雄阿寒岳」、一般財団法人 自然公園財団 スタッフブログ「ひょうたん沼スノーシューウォーキング〆間近!」(お知らせ / 2013.01.26)を参考にさせて頂きました。
ご訪問頂きありがとうございました。
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