『納沙布岬』-納沙布岬灯台、他-
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前回に引き続き「納沙布岬」の2回目です。実は、納沙布岬(の近く?)には大学生の頃(かれこれ30年程前)にも1度訪れたことがあります。思い起こせば、あれは普通車免許を取り、初めて買った中古の「ホンダ・ライフ」という軽自動車で、友人(もちろん男友達、硬派でしたので。…正直言うと…モテなかっただけのこと!)との2人旅でした。
最近の「ホンダ・ライフ」は、2014年に販売終了し、中古車は流通しているようですが、その当時の「ホンダ・ライフ」は初代の物です。エンジンの排気量は360㏄で、前作の「N360」は空冷エンジン搭載車でしたが、このライフから水冷エンジンになりました。そのため、暖房能力がアップされ5月連休中のドライブも暖かく快適でした。
今の軽自動車は660㏄ありますが、昔の軽自動車は360㏄。でも、今と同じ4人乗りで、それなりにしっかり走っていましたから、本当感心してしまいます。燃費も良かったことを覚えています(数値までは…、今の中型バイク位かな?)。
貝殻島灯台 “島”といいますが、岩礁のような物なのだそうです。灯台も老朽化が進んでます。
貝殻島よりさらに南方向に見える島影
N360は、今のNワンやNワゴン、Nボックス等の「Nシリーズ」に引き継がれています。(因みに、N360は私が小学生の頃、父が一時期乗っていたことを覚えています。)
やはり性能的には今の軽自動車の比ではなく、「ゆっくり走ろう、北海道」を否応なく?!体現しているような車だったように思います(でも、平地ではスイスイ走りました)。道東の、さらにその端っこ・遠い遠い根室に着いたのが夕方くらいだったと記憶しています。そこから納沙布岬までは、さらに1時間弱はかかったでしょう。
足元には各島までの距離等がペイントされ紹介されています
初めての道でよく分からず走ったこと、5月で日も短く夕暮れが迫っていたこと、長距離運転で疲れていたこと等のため、根室半島の海岸線の道路をぐるっと1周して元の根室に戻って来てしまったのです。二人して「もう着くだろう」、「もう着くべさ…、おかしいな…」って言い合いながら…。
知床「羅臼岳」まで約95㎞ 国後島「爺爺(ちゃちゃ)岳」まで約113㎞
秋勇留島まで13.7㎞、勇留島まで約16.6㎞ 貝殻島灯台まで3.7㎞
気づいた時には、周囲はもう真っ暗で景色どころではありません。次の日は次の日で「摩周湖」や「阿寒湖」等へ行く予定でしたので、結局のところ「納沙布岬」は「幻の納沙布岬」。「納沙布岬の近くへ行ってきた」ということでお仕舞にしました。今でもその時のことを思い出すと苦笑いしてしまいます。
水晶島まで7.0㎞ 国後島「泊(とまり)山」まで約57㎞
納沙布岬灯台
また前置きが長くなり、申し訳ありません。本題に入ります。そんなこんなで、結局「納沙布岬」を訪れるのは今回が初めてです。ですから、「北方領土」を直接自分の目で見るのも初めてです。実際に納沙布岬に立ってみて驚いてしまいました。
何がって?その「近さ」にです。「目と鼻の先」と言ってもいい程の「近さ」に感じました。『こんな近くに「北方領土」が見えるんだ』と、今さらながらに思いました。
海に向って右手にある「納沙布岬灯台」、その近くに見えているのが「貝殻島灯台」。そこから左の方へゆっくりと目を移していくと、平たい島の姿が大きく海上に広がって見えます。国後島や知床半島・知床連山までも眺望できるようです(その日は、残念ながら北の方の海上が白く霞んでいて、国後島や知床の方まではよく分かりませんでした)。
岬から見えている島々は、「歯舞群島」が中心のようです。歯舞群島には、水晶(すいしょう)島、秋勇留(あきゆり)島、勇留(ゆり)島、志発(しぼつ)島、多楽(たらく)島などの島々があります。
哨戒中の巡視船
納沙布岬に立ち、まず目の前に大きく広がって見えるのが「水晶島」で、その右側手前に「貝殻島灯台」その奥に「勇留島」「秋勇留島」、「水晶島」の向こう側(東側)に「志発島」、そのまた向こう側(東側)に「多楽島」と続いています。
見る限りでは、各島とも平らな感じで、高い樹木のようなものはほとんどないようです。平らな島の上に塔のように見える建物と赤い屋根の建物三つが離れて見えるだけです。塔のように見える建物は、「警備隊」がいる建物だそうです。
※私のコンデジ性能ぎりぎりの望遠で撮りましたので、画像の悪さはご勘弁ください。
根室海峡の最狭部「野付水道」(野付半島と国後島南西端との間;幅約17㎞)から、さらに狭い珸瑶瑁水道(ごようまいすいどう;納沙布岬と水晶島との間)と思われる海域で、海上保安庁の巡視船が往来して日本漁船の拿捕防止のために哨戒行動を行っていました。
そんな様子を目の当たりにすると、この海上に「日本とロシアの事実上の国境線がある」ことを実感せずにはいられませんでした。日本全国でそんな緊張した様子が常に目の前で見られる場所は、ここ「納沙布岬」しかないのではないか、と思いました。
ご訪問ありがとうございました。